
2010年11月22日。朝10時。薄曇りの空は、到着早々に雪予報だった割にはマシな空模様といえた。1区の街角は人もまばら。夜も明けぬ早朝にジェラール・ミュロのクロワッサンとフィナンシェ、近所のカフェでカフェ・ノワゼットという朝食を済ませてからお菓子の神様サン・ミッシェルの前を通って更にしばらくメトロを乗り継ぎつつあちこちを歩いて一体どこを歩いているのか把握しきれないまだ朝10時過ぎくらいのことだった。実際、パリでの約10日間はメトロでの移動が主で、駅の階段を上がった時に初めてその街の風景を見ることになる。

2 impasse St-Eustache 75001 PARIS。Église de St-Eustache。シャトレ=レ・アール駅そばにあるサントゥスタッシュ教会へ訪れたのはパリ初日。モンマルトル通り側からテュルビゴ通り沿いにあるブラッスリー「レスプラナド・サントゥスタッシュ(Brasserie L'esplanade St Eustache)」を臨む。後ろにはサントゥスタッシュ教会。ルイ14世が聖体拝領式を行なった教会として知られている。ゴシック調にルネッサンス様式を施した教会である。

高い場所にパイプオルガンが見える。教会でパイプオルガンを聴いたことはまだなかった。パイプオルガンで耳に残ってるのはThe Rolling Stones「She Smiles Sweetly」ぐらいであるという自分が、果たして教会でパイプオルガンを聴いて心に響くのかどうか自分で自分自身を疑ってかかっていた。しかし、石で囲まれた静粛な場所で響く音管を通した風の息吹は胸の奥でこだまするようだった。そこは割と単純なもので、すんなりと気持ちが切り替わる。



ひとたび聖堂や寺院の中に入ると、どんなに早足で会社や学校へ向かう人も、おそらくいつもの朝の半分以下の速度でしか歩けなくなるだろう。多分、何処にも注意書きは掲げられていないかも知れないのに、我々はこのような場所でとてもゆっくりと歩くようになる(もちろん、場所が場所だけに空気を読んでるからなのは当然だが)。まるで美術館の中にいるように。この教会はノートルダム大聖堂やサクレクール聖堂ほど観光客が押し寄せる場所ではないと思う。建物の中は空いているから好きな速度で歩けばいい。誰かと共に訪れているのならば口を開いても良い。なのにどうしてだろう、ブーツの靴底が石を打つ乾いた音だけしか聞こえなくなる。
足を運んだ時間の関係もあったが、およそ10日間ほどのパリであと2回、合計3回もパイプオルガンの調べに耳を澄ますことになった。いずれも午前中のことだ。


場所:2, Impasse Saint-Eustache 75001 PARIS
開場時間:9:30-19:00(月曜日〜金曜日)、10:00-19:00(土曜日)、9:30-19:00(日曜日)
開場時間:9:30-19:00(月曜日〜金曜日)、10:00-19:00(土曜日)、9:30-19:00(日曜日)






