2010年12月03日

パリ旅行雑感〜散策編

パリ編を始める前に、雑感を少々。

……ずっとこの機会を待ち望んでいた。今回のパリ旅行、菓子・パンブログの甘時間の管理人である建前、お菓子とパンの記事・写真に期待されることぐらいは容易に想像が付いていたけれど、僕は読んでくれている人たちを旅立つ前から裏切るつもりでいた。どんなに落胆・非難されても、我が道を行くつもりでいたし、事実その通りの過ごし方を正味10日間押し通したつもり。

パリから帰宅して最初にやったことは自宅のMacにパリでの写真を取り込み、すぐにバックアップをとることだった。作業を終えた後の、してやったり感は旅の疲れの中でも爽快そのものだった。

もともと風景写真を撮り始めて10年。ここ5年くらいは甘時間にかかりっきりでお菓子とパンばかり撮り続けていたせいか、自分の中でずっと苦悩が続いていた。風景写真を撮り続けることで自分の下地は作られていたから、風景写真なしでいることは、バランスを失うことと同然。

「風景写真を撮りたい。常に季節の中に身を投じて、心の赴く方向へ目を向けて足を向かわせる週末をそろそろ取り戻したい。そのためなら、このブログを終わらせてでも……」

ろくすっぽ風景写真を撮り歩く時間をとれずにいたここ数年の自分の週末の時間の過ごし方に疑問を抱き始め、無理矢理にでも変えようと自分を強引に追い込んで風景写真ブログを立ち上げることを決めたものの、それでもこの一年、叶わなかった。いつの間にか自分自身まで甘い時間に包まれてしまった。「ならば、もうパリしかない」。

美しい佇まいに、華やかに香る菓子やパンは、食べ手のこちらにとってもインスピレーションと心の潤いをもたらしてくれるけれど、様々な土地へ足を運んで景色に触れ、人の心に触れ、気にとめた場面を一瞬のチャンスに切り取ってきた自分にとって、風景写真は自分の表現そのもの。風景写真を撮り歩かなくなることで、自分の感性が鈍り、足取りが鈍り、イメージが枯渇してゆくのがとてつもなく恐ろしかったし、この一年、何かにずっと怯えていた。数段上に行く予定でいたのに、思ってた以上に今年は伸び悩んだことに危機感を抱いていた。「ヤバい。このままじゃ、止まってしまう……」

自分の感性を今一度解き放ってくれるのは、パリの街しか考えられない。この機会を逃したら、多分来年で自分は終わる。そう考えていた。菓子の写真もパンの写真も撮らない、風景しか撮らない。そう決めて飛行機に乗った。

普段、無駄打ちを嫌うくせに、無駄打ち覚悟で正味10日間に5000枚撮るつもりでいた。1〜2分に一回はシャッターを切らなければ達成できない途方もない目標を掲げて、結果は惨敗。たったの1100枚しか撮れずに自分のパリは終わった。自分の感覚では、ほとんど撮らずに終わったような気がしている。パリの街並は美し過ぎて、自分がレンズを持ち上げる力を1/5に削いでしまった。美しさにのめり込んでしまった……。街を歩いていて、常に頭に浮かんでいたことがある。「自分んちの近くを歩いて、代わり映えのしないとりとめもない毎日の時間を行き交うこいつらにとって、この風景は日常でしかない……。なんてことだろうか」

風景写真を撮り歩く時間をおざなりにしてきたツケが、パリのど真ん中で炸裂してしまった。他の誰でもない自分の目が「撮りたい」と念じた写真はほとんど撮れていなかった。「してやったり」の後の絶望感に包まれた東京の夜。一気に疲れと虚脱感に襲われ、布団の上に突っ伏してしまった。甘かった。完全に負けた。

その負けっぷりを掲載するのはとても悔しいのだけれど(笑)

そんなわけで、パリ編は風景写真メインです。もちろん、甘いのもしょっぱいのも取り揃えていますが、ご了承ください。

引き続き、パリ旅行総評〜食事編です。
posted by 照乃芯 at 22:04 | パリ 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 連載/甘時間 - ama-jikan - パリ編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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