たっぷりのカスタードの液種を流し込んだタルトで、古典菓子の一つ。表面は焼き目が付いていて、食欲をそそる。他所のパティスリーやブランジュリーでもフランやタルト・フランとしてこのお菓子は見かけることができるが、他所のお店だともっと大きい。

タルト生地は柔らかめ。あともう少し硬めの方が好きだな。時間が遅かったからかもしれないが。全体的に小振りで可愛らしく、カスタードは割と甘めでも、十分食べきれるサイズ。ただ、今まで食べて来たいくつかのフランに比べると、ア コテ パティスリーのフランじゃなきゃダメというものは特に感じなかった。ここらへんは個人差の領域なので、食べた人の実感それぞれであると思う。
個人的にはフランというお菓子は、もう一回りか二回り大きいサイズで大きく口を開けて食べたい。
訪問したのは閉店に近い時間だったので生菓子はもうなかったと思う。メニューシートも置いてなかった。いくつか買いたいと意気込んでいたお菓子が生菓子・焼き菓子含めいくつかあったのだが、今回はそのうちの一つしか買えず、他は並んでいるものの中からまだ食べたことのないお菓子を選んで帰った。
[ À CÔTÉ Pâtisserie(ア コテ パティスリー) ]
場所:東京都港区白金台2-5-11
最寄駅:都営三田線・東京メトロ南北線「白金台」駅より徒歩5〜6分ほど
営業時間:9:30-13:00/15:00-19:00(13:00〜15:00は仕込み時間のため、一時閉店)
定休日:不定休
場所:東京都港区白金台2-5-11
最寄駅:都営三田線・東京メトロ南北線「白金台」駅より徒歩5〜6分ほど
営業時間:9:30-13:00/15:00-19:00(13:00〜15:00は仕込み時間のため、一時閉店)
定休日:不定休
ア コテ パティスリー。半年振りの訪問と雑感
というわけで、去年11月に初めて訪問した白金台のア コテ パティスリー。半年振りの訪問。お店がオープンして一年ちょいが過ぎた頃になる。厨房内には販売担当と思われる女性の方が一人いて、何時からなのかは判らないけど、どうやら人出を増やしたみたいだった。これまでシェフ一人で切り盛りされていたお店だから、接客などはいくらか負担が減ると同時にお菓子作りに集中できるだろうし、一年過ぎたところで人出が増えたというのは、確実に人気が出たということなのだろう。甘時間にもア コテ パティスリーの情報を求めに来てくれる人が少なくないので、日に日に評判が上がっているのだろうと感じる。お菓子屋に足を運びたくなる丁度いい頃合いの午後の2時間(13時から15時)を仕込みにあてているため、うまい具合に買い求められない人もきっと多いかと思う。
初訪問から半年を経て、自分のア コテ パティスリーに対する印象を隠さず述べるなら、「手の込んだ繊細で滑らかで技巧的な生菓子を食べ続けてのちに、ふとホッとするシンプルで素朴な焼き菓子やタルトを口にしたくなった時、たまに足を運んでみようと思うお店のうちの一つ」という位置付け。ア コテ パティスリーでこれまで食べてみたお菓子を振り返っても、それ以上の評価やそれ以下の評価をするつもりもない。狭い店舗に焼き菓子やタルトを多く並べている分、生菓子は極端に少ないし、どっちかを増やせばどっちかが減るだろう。季節ごとにいくつかのメニューが入れ替わってはいても、このバランスは変わらないんじゃないだろうか。つまり、ほぼ焼き菓子屋と思うことにしてる。お店の規模から見ても、品数はこれ以上増やせるとは思えないので、一度に多くを求めるべきお店ではない、と。
焼き菓子やタルトが美味しいお店は他にも沢山あるのだし、あまり過剰な評価をするのはどうかという気もする。新しいものばかり追い求めないで、今ある選択肢の豊富さを翻ってみることも大事なのではないだろうか。
素直にそういう位置付けのお店として頭に入れておくのが丁度いいと思う。決して貶しているのではなく。
…のだが、人出を増やしたぐらいだから、今年に入ってからの流れはあまりそういった方向へは向いていないのかな、と。無論、オーボンヴュータン出身シェフのお店というのは焼きの技術に確かなものがあると思うから、それだけで期待値が大きくなるのも判るといえば判るけども。ならば、オーボンヴュータン出身シェフのお店のお菓子を10〜11店食べてみて、それでもこのお店でないとダメというものがどれだけあるか。
実際、それだけのお店のお菓子を今まで食べてきたけど、ア コテ パティスリーは十分美味しいよ。焼きもしっかりしてるし。でも、その美味しいっていうのは、あくまで「ホッとするシンプルで素朴な焼き菓子やタルトを口にしたくなった時に、たまに足を運んでみようと思うお店のうちの一つ」としての「美味しい」であって、いたずらに持ち上げる気にはならないな。
というようなことを、ちょっと自戒の意味も込めて書いてみた。







その実、どこもオリジナリティーに欠けているのが残念です。
一般的にも、どこかのケーキのコピーばかりが氾濫してる現状をとても悲しく思います。
しかし一番の問題点は、独創的なケーキを創っても、日本の多くの人はそれを受け入れ
ない傾向があることだと思います。
オーボンヴュータン自体がフランスの古典菓子や郷土菓子を昔からとても大事にしているお店なので、
そこで修行する人もそういった傾向が元々強いか、あるいは修行をする過程でその影響を色濃く受けるのかもしれません。
事実、オーボンヴュータン出身シェフのお店は古典的なフランス菓子を多く並べますよね。
修行したお店で印象的だったお菓子を、独立後の自分のお店に並べることはよくあることですし。
結果、独創的なものよりはむしろベーシックや古典的なものが多く並んでいるのではないでしょうか。
とにかく創作がしたいのではなく、異国の食文化をできるだけ正しく伝えたいという気持ちの表れが反映されてるのではないでしょうか。古典やベーシックを大切にしているお店は、その傾向が強いと思います。
日本にある沢山のケーキ屋で、どこかのケーキのコピーを見かけるのは、確かにしばしば感じますね。
露骨に「あの店と同じだな」と感じるものもありますが、真似される側のお店も、フランス菓子のベーシックを基にしてるでしょうから、べつのお店がそれを真似れば、結果として似通ってしまうことがあるのは、
ある程度仕方ないのかなという気もします。ただ真似てみても、最終的には職人の腕の差は必ず表れますから、
食べ手はおのずとお店を取捨選択するんじゃないでしょうか。
真似る事自体は、基本をペンでなぞるようなもので、あるいは参考文献を紐解くようなもので、
自分の世界を作り上げていく上で避けて通れないと思うんです。
真似て、真似んで、学ぶというのは、ケーキのみならずどこの世界にもありますから。誰でもするとも言えます。
独創的な領域に行くのは、その先で。
独創性に対する受け皿が日本あるいは日本人にないとは個人的には思ってませんし、
そういう傾向があるとも感じてはいませんが、独創性を受け止める公約数が少ないのは仕方ないと思います。
例えば先に挙げたオーボンヴュータン出身シェフのお店は古典やベーシックを大切にする特徴が見られますから、これらのお店に突飛なものを期待してる人は少ないでしょう。いや、ほとんどいないと思ってます。
そういった光景は、独創性を求める人にはきっと地味に見えると思うんですが、
これらのお店に関しては、そういう役割を担ってるんだ、という解釈でいいのではないでしょうか。
日本にいながらにして、フランスのお菓子をできるだけ正しく伝えてくれる信頼がもてるお店だと捉えています。
それらのお店でも、まったく同じかというとそうではないと思いますし、他のお店も特徴は様々存在してると思ってますよ。それを知ってもらうためにもこのブログを利用してもらいたいと思ってます。
個性的で独創的で前衛的なものが見られるケーキ屋は決して多くないし、
東京でならせいぜいピエール・エルメぐらいだと思います。
ピエール・エルメぐらい独創的な挑戦をしてるパティスリーがパリにどれだけあるかといったら、
きっと見つけるのは大変なんじゃないかと。
というのも、食べ手が常日頃望み、最も多く消費するものはベーシックなもので、
皆が常に独創的なものを望むわけではなく、独創性に対する受け皿の大きさというのは、
ベーシックに対する大きさに比べて、やはり小さいですから。
独創的なケーキがいくつかあってもいいけど、ベーシックなものも十分に揃えないと、
お客はつかないですからね。
それは日本に限らず、フランスであろうがイタリアであろうが、
ウィーンであろうがベルギーであろうが、きっとどこの国の人でも変わらないでしょう。
異国の食文化を日本で伝えている以上、尊重と守るべき枠組みはあると思うんです。
例えば中華料理屋の看板を掲げる店が、中国にも存在しないような独創的な料理を頻繁に出すのは
簡単ではないでしょうけど、料理人ができるだけ自分の個性を反映させるように努力しているのと同じで、
ケーキ職人であるパティシエもそういった努力はきっとみんなやってると思います。