2010年12月02日

企画/『甘時間 - ama-jikan - パリ編』予告

シャイヨー宮から見たエッフェル塔

【シャイヨー宮から見たエッフェル塔】

シャンゼリゼ通りのイルミネーション

【シャンゼリゼ通りのイルミネーション】

モンマルトルのマルシェ・ド・ノエル

【モンマルトルのマルシェ・ド・ノエル】


【今後の甘時間日程】2010年12月2日付

パリ編開始に伴い、『企画/甘時間 - ama-jikan - パリ編』カテゴリを新設します。こちらは主に旅の風景写真がメインです。そして、パティスリー、ブランジュリーなどはすでに設置している「フランスのパティスリー、ブランジュリー、ショコラトゥリー」カテゴリに割り振り。食事ネタについては「フランスのレストラン、ビストロ、ブラッスリー」カテゴリを新設した上でそちらへ割り振ります。

以上、3カテゴリでパリ編を開始する予定です。それに伴ってブログデザインも刷新しますので、開始にはもうしばらく日数がかかると思いますが、ご了承ください。

それでは、メルスィ、オーボワー。
posted by 照乃芯 at 03:04 | パリ ☀ | Comment(2) | TrackBack(0) | 連載/甘時間 - ama-jikan - パリ編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月03日

パリ旅行雑感〜散策編

パリ編を始める前に、雑感を少々。

……ずっとこの機会を待ち望んでいた。今回のパリ旅行、菓子・パンブログの甘時間の管理人である建前、お菓子とパンの記事・写真に期待されることぐらいは容易に想像が付いていたけれど、僕は読んでくれている人たちを旅立つ前から裏切るつもりでいた。どんなに落胆・非難されても、我が道を行くつもりでいたし、事実その通りの過ごし方を正味10日間押し通したつもり。

パリから帰宅して最初にやったことは自宅のMacにパリでの写真を取り込み、すぐにバックアップをとることだった。作業を終えた後の、してやったり感は旅の疲れの中でも爽快そのものだった。

もともと風景写真を撮り始めて10年。ここ5年くらいは甘時間にかかりっきりでお菓子とパンばかり撮り続けていたせいか、自分の中でずっと苦悩が続いていた。風景写真を撮り続けることで自分の下地は作られていたから、風景写真なしでいることは、バランスを失うことと同然。

「風景写真を撮りたい。常に季節の中に身を投じて、心の赴く方向へ目を向けて足を向かわせる週末をそろそろ取り戻したい。そのためなら、このブログを終わらせてでも……」

ろくすっぽ風景写真を撮り歩く時間をとれずにいたここ数年の自分の週末の時間の過ごし方に疑問を抱き始め、無理矢理にでも変えようと自分を強引に追い込んで風景写真ブログを立ち上げることを決めたものの、それでもこの一年、叶わなかった。いつの間にか自分自身まで甘い時間に包まれてしまった。「ならば、もうパリしかない」。

美しい佇まいに、華やかに香る菓子やパンは、食べ手のこちらにとってもインスピレーションと心の潤いをもたらしてくれるけれど、様々な土地へ足を運んで景色に触れ、人の心に触れ、気にとめた場面を一瞬のチャンスに切り取ってきた自分にとって、風景写真は自分の表現そのもの。風景写真を撮り歩かなくなることで、自分の感性が鈍り、足取りが鈍り、イメージが枯渇してゆくのがとてつもなく恐ろしかったし、この一年、何かにずっと怯えていた。数段上に行く予定でいたのに、思ってた以上に今年は伸び悩んだことに危機感を抱いていた。「ヤバい。このままじゃ、止まってしまう……」

自分の感性を今一度解き放ってくれるのは、パリの街しか考えられない。この機会を逃したら、多分来年で自分は終わる。そう考えていた。菓子の写真もパンの写真も撮らない、風景しか撮らない。そう決めて飛行機に乗った。

普段、無駄打ちを嫌うくせに、無駄打ち覚悟で正味10日間に5000枚撮るつもりでいた。1〜2分に一回はシャッターを切らなければ達成できない途方もない目標を掲げて、結果は惨敗。たったの1100枚しか撮れずに自分のパリは終わった。自分の感覚では、ほとんど撮らずに終わったような気がしている。パリの街並は美し過ぎて、自分がレンズを持ち上げる力を1/5に削いでしまった。美しさにのめり込んでしまった……。街を歩いていて、常に頭に浮かんでいたことがある。「自分んちの近くを歩いて、代わり映えのしないとりとめもない毎日の時間を行き交うこいつらにとって、この風景は日常でしかない……。なんてことだろうか」

風景写真を撮り歩く時間をおざなりにしてきたツケが、パリのど真ん中で炸裂してしまった。他の誰でもない自分の目が「撮りたい」と念じた写真はほとんど撮れていなかった。「してやったり」の後の絶望感に包まれた東京の夜。一気に疲れと虚脱感に襲われ、布団の上に突っ伏してしまった。甘かった。完全に負けた。

その負けっぷりを掲載するのはとても悔しいのだけれど(笑)

そんなわけで、パリ編は風景写真メインです。もちろん、甘いのもしょっぱいのも取り揃えていますが、ご了承ください。

引き続き、パリ旅行総評〜食事編です。
posted by 照乃芯 at 22:04 | パリ 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 連載/甘時間 - ama-jikan - パリ編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月04日

パリ旅行雑感〜食事編

実は今回、菓子はさほど食べていない。

すごく興味があったか?と訊かれれば、実はそれほどテンション高くなかったんですよねえ、と言わざるを得ないが、かといってちっとも興味がなかったわけではなかったのも事実。どこの店も写真や雑誌の記事、人の伝聞で見聞きすることしか出来なかった店で、素晴らしい店ばかりだった。全部を回れるはずがなかったので、次回に渡仏する機会が巡ってきた時までお預けにした店もあった。

甘時間の管理人としてパリへ行ってこれっぽっちしか甘いものを食べなかったことで、帰国後の記事を読んでくれる人には意外性と……ひょっとしたら落胆を与えることになるかもしれないと毎晩感じていた。事実、自分で想像していた以上に、食った菓子は少なかったと思うし。じゃあ、それを後悔しているのか?と訊ねられたら、ちっとも後悔していないのであった。

個人的には概ねこんなもんだろうという印象。そもそも昼、夜と一日2食の毎日でも食べるのが精一杯、これでパンも菓子も食ったらゲロ吐くに決まってるか、現地で一日(あるいは数日)寝込むことが容易に想定できたから。無事にパリでの10日ほどの日程を乗り切るには、食べる総量を抑えるしかなかった。

東京にいる菓子・パン好きさんならきっと判ってもらえるだろう。僕も含めてあなた方にとって毎週末は菓子やパン屋巡りの貴重な時間であるということを。それを満たすために一食抜くことすら躊躇わないことも。だが、それを毎日10日間近くも続け、昼と夜には日本基準を遥かに超える爆盛りアントレ(ENRTEE/前菜)、プラ(PLAT/主菜)がそれぞれ運ばれ、胃に飲み込まれていくと考えた時、我々は大食いチャンピオンでもない限り胃袋が保つはずがない。本当はその後でアバン・デセールとグラン・デセールがあるのだけど、日本人の自分には無理でした(笑)

その中で、何を重視すべきか?
甘時間の管理人として菓子・パンに絞るか?…否。

フランス菓子がフランス料理である以上、しょっぱいものをきちんと食わずにデセールだけ食って帰ってきても仕方ないと思ったからだった。ましてや、フランス菓子が好きなら、しょっぱいものはどうでもいいなんて、思えなかった。

異国人としてフランスの食文化に触れてくるのに、菓子とパンばかり食って東京でつべこべ言いたくなかった。パンもとびきり美味かったし、菓子もある程度想定した通りの美味しさだった。だが、すでに東京の上馬でフランス菓子を食わせてくれる店に一年前から出会ってる以上、この店より上か下かという基準でしか計れない菓子を、爆量で食う必要もないだろうと。あとは素材そのものの味わいによってどれだけこうも違うか、というぐらいしか……。菓子は最低限の量で今回は十分と判断した。どうしても食い足りなければこの先時間とお金が許す限り2回でも3回でもまたパリへ渡れば済むのだから。

それに、いくつかのお店のある菓子を食べて、「…これなら巴シェフの作る菓子の方が上だ」と感じた。なら東京に帰っても、菓子に困ることはなさそうだと思った。種類の多さではパリが圧勝とは思うけど、全部食べるわけじゃなし。パリが恋しくて仕方ないというシンドロームになることはなさそうだと。

だったらなおさら、残りのパリ滞在中に無理して菓子を食いまくる必要はないだろうと再確認した。正直、フォアグラやジビエ、魚、ステック・フリット、クスクス、生牡蠣の方が有意義な食時間だったと振り返らざるを得なかった。旅先での人との触れ合い、出会いが楽しい忘れられない、これぞ旅というべきだったシェ・ミッシェルの夜、極寒の昼にル・コントワールのテラス席でガツガツ食べた時の「嗚呼、オレってヒト科の動物だよな…」と感じさせたあのライブ感。シモンに挑戦したシェ・ジョルジュの夜。やっぱり料理の方が強烈な印象に残った。

そんなわけで、菓子・パンネタは風景写真に比べるとさほど多くないです。
posted by 照乃芯 at 00:16 | パリ 🌁 | Comment(4) | TrackBack(0) | 連載/甘時間 - ama-jikan - パリ編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月07日

連載/甘時間 - ama-jikan - パリ編 第一章(1):CDG

シャルル・ド・ゴール空港


成田空港第一ターミナル4F。21時55分、AF277便。成田発シャルル・ド・ゴール行き。このフライトを担当するフランス人機長は、これがラストフライトとなる退役軍人。着陸の際は、機内で拍手が起こった。

初めての海外。初めての飛行機。初めてのパリ。全距離10172km。午前4時半。閑散とした静かなシャルル・ド・ゴール空港。14時間もの長旅を経て、ようやく到着。もうここからは、周囲で日本語が飛び交うことはない。少なくとも同行者とやりとりする以外は。

シャルル・ド・ゴール空港


準備が十分だったかどうかは判らない。でも、もうここに来てしまった。あとは10日間どうなるか、なるようにしかならないだろう。十分楽しむことにしよう。それにしても、エコノミークラスって、あんまり座席の背もたれが後ろに下がらないもんだな……。まともに寝れなかった。随分と疲れてしまった。

シャルル・ド・ゴール空港の自動販売機


パリにも自動販売機があった。お札が使える自動販売機は結局見かけなかったから、多分ないのかも知れない。東京にいる感覚だと、千円札を小銭に崩したい理由で自動販売機の前に立って美味しくないコーヒーを選ばなきゃいけないが、パリだとコーヒーを飲むにはキャフェに入らないといけない。トイレもそう。公衆トイレは確かにあったけど。

シャルル・ド・ゴール空港の自動販売機


ama_jikan_a_paris_kakko.gif


そういえば、パリへ行く直前、新宿島屋のそばの自動販売機でコーヒーを買ったら「2222」のゾロ目が出て当たった。自動販売機で当たるなんて、すげえ久しぶり。なんかもう嬉しくて「パリ行く前にコーヒーが当たるなんて、幸先良過ぎだろ!」って夢中で写メ撮ってたら、いつの間にか点滅ランプが消えてて、その後ウンともスンとも言わない。どこ押しても、ジュースとか全然出てこない。どうもさっさと選んで押さないとダメらしい。「……消えるか普通?」って思った。

漁り火を見送ってるんじゃないんだからさ。ケータイかざした右手の言い分も聞いてやってください。

まあ、どっちに価値があるかと言えば、当たったということの方が嬉しくて、当たって手に入れたもう一本を飲んで美味しかったとは多分思わなかっただろう。そう、もう一本飲むなんて、本当は大した問題じゃなかったんだよな……。

シャルル・ド・ゴール空港


それはさておき、外はまだ真っ暗。これからRERのB線に乗ってパリ市内に入り、今回の宿、"ホーム"となるカルチェ・ラタン。モベール・ムチュアリテを目指した。

シャルル・ド・ゴール空港
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