
ドイツ菓子における「素朴」から「モダン」へのシフトを提案したユーハイムの新しいコンセプトであるマイスター・ユーハイムは、ベルリンのレストラン「ファウ」のコルヤ・クレーベルク、フランクフルトのお菓子屋「カフェ・ジーフェルト」のベルント・ジーフェルト、ユーハイムではおなじみであるハンブルクのデザインスタジオ「ペーター・シュミット・グループ」のペーター・シュミットの3氏による新ブランド。ブランドロゴにはバウムクーヘントゥルムを連想させるデザインが施されています。
ユーハイムグループの中では一番新しいブランドですが、位置付けとしても、ほぼケーキ(クーヘン)、しかも「ユーハイムにおいては」より洗練されたケーキ、に絞ったコンセプトとしてとらえていいのではないでしょうか。
日本では都内デパート3店(大丸東京店、伊勢丹新宿店、日本橋三越)で展開中ですが、自分ちから一番近所である伊勢丹新宿店の店舗へ昨年2007年11月に訪問しました。
2007年5月にリニューアルされた伊勢丹新宿店の地下食料品売り場ですが、何かとアンリ・ルルーやブイエ、サダハル・アオキ、ジャン=ポール・エヴァン、ピエール・エルメ、マ・パティスリーの印象ばかりが残ってしまいがちですが、従来から入っていたお店もリニューアルにともなって新ブランドを立ち上げたりして、ショーケースはかなり華やかだったんですよね。それらの名前だけを挙げると目新しさを感じない人もいるかも知れませんが、一度じっくりとフロアを練り歩くことをオススメします。特にこのマイスター・ユーハイムはオススメの一つです。
○レッフェルン "ビルネ" - LOFFELN "Birne" - (\1,365)「デザート感覚の新しいトルテ」という説明がありました。レッフェルンは「すくって食べる」を意味する大型デザートシリーズ。4種類ある中からビルネを選びました。このビルネ(Birne)は、「梨」の意味。その他のレッフェルンについてはオフィシャルサイトに詳しい説明があるので、そちらを参考になさってください。
食べた11/27の時点で、まだオフィシャルサイトには掲載されていませんでした。おそらく一番新しいラインナップであると同時に、一番デザインが洗練されたお菓子だと感じました。よって今回はビルネです。

レモンとコアントローを効かせた大きなゼリーに洋梨のコンポート2カットが、金粉で彩られたカシスゼリーの上に乗っています。ホワイトチョコの飾りも。ゼリーの下は順番にシャンティー、バニラムース、刻んだ洋梨のコンポート、スポンジとなっています。スポンジは厚くなく、スプーンですくって食べる分には何の問題もありません。バニラムースとスポンジの間にはカシスのジャムが薄く塗ってあります。洋梨のコンポートに付いてる枝はチョコレートでできていました。
大きさは横16cm、縦13cm、高さ4cmといったところ。…1人でも十分イケてしまいますが、3人くらいで分けて食べると丁度いい大きさだと思います。
カシスゼリーの海に浮かぶ、宇宙から降ってきた透き通ったコアントローの結晶と洋梨の惑星、といった感じでしょうか。見た目からしてロマンティックで、幻想的な絵本の世界にいるような錯覚。スプーンを入れるのが勿体なく感じました。舌の上で昇華させるには目の前の美を解体しなければならないというジレンマでさえ、静寂(しじま)の前ではかき消されてゆくのみです。
カシスの酸味は控えめ、ゼリー中心の軽めな構成、ムースもシャンティーもすっきりした甘さ。特に食後にはピッタリで美味しかったです。これのおかげで一週間以上幸せになれそうです。
他にもバタークリームを使ったアントルメが美味しそうで、次回購入の優先順位1位にしています(笑)
ちなみに、パッケージはこんな感じです。

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Meister JUCHHEIM(マイスター・ユーハイム)伊勢丹新宿店
住所:東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿店地下1階食料品売場
最寄駅:地下鉄都営新宿線「新宿三丁目」駅下車、徒歩1分前後
営業時間:10:00-20:00
定休日:伊勢丹に準ず
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