
電車だと小田急線「参宮橋」駅の改札を出て、左へ。参宮橋商店街中ほどにある、小さな和風のお店です。どう見ても、洋菓子店には見えない外観です。マチルダというのは、オーナーの町田さんのニックネーム。
ほとんど一人で切り盛りされているという話でしたのでどんな感じなのかお店の扉を引く前にチラっと店内を覗きこんだら、若い女性がレジのところに。「ああ、ちゃんと人雇ってるんだ。そりゃ一人で製造と接客は大変だもんね…」と思ったんです。
そしたらマチルダさん本人でした。
--
普段は、ウチから徒歩で来れる場所で、参宮橋駅方面から来る事はまずありません。地元界隈のケーキ屋はかなり回ったつもりだったんですが、実はマチルダはここ最近知ったお店でした。まさか参宮橋に洋菓子屋があるとは。それで15日に一度足を運んだのでした。大人になってからこの商店街へ来る事は、正直あまりありませんでした。けれども、その道の一つひとつは今でも鮮明に覚えていますし。
商店街の一番「深い」底にある、その軒先に朝顔を植えている和風然とした小さな間口を構えた洋菓子屋の向かいには昔、市場があって、入り口に一番近いところには駄菓子屋があったんです。
子どもの頃、よくその駄菓子屋に来てました。かれこれ22年ほど前まで遡る必要がある話です。マルマンストアも昔からあるし、商店街の全体像はそれほど変わっているように見えないんですけど、マルマンの先の坂の上の辺りは随分変わったなと思います。左へ入った奥にあった社宅は、もうすっかり別物の高級なマンションになってしまって…。友達んちに遊びにいった頃の景色は何も残っていませんでした。そればかりか、代々木小公園向かいの踏切から入る、小田急線の線路沿いから続くあの一帯は妙に小綺麗な雰囲気ばかりが目立った、無気質で味気ない町並となり、風情というものがスッカリ消えてしまっていました。この道を歩くごとに子どもの頃の記憶が駆け巡ってゆくけれど、そのすべては遠い夏の日の陽炎なんです。
そんな中で昔も今も変わらないのが、参宮橋商店街の入り口。キツイ勾配の坂です。あそこから目の前に広がる商店街の風景には趣があって、とても好きです。暮れなずむ町のあちこちに愛しさのかがり火がボンヤリともっている。この坂を下ったところにマチルダがありました。
というわけでマチルダです。ちょっとヨロシク。

○桃のショートケーキ - Gateau Peche -(¥410)
この桃は白ワインでコンポートされたものだそうです。外観は至ってシンプル。上部には桃のカットが4切れ、桃のゼリーもあります。更に細長いチョコスティックが一本。桃のゼリーにも酒の風味がするように思うのですが、おそらく入っているのではないかと。
シャンティーも控え目で全体的にスッキリとしています。大きさは、やや小振りです。残念ながら、ケーキがこのショートとガトー・ショコラ以外になかったんですね。普段はもう少しあるのか、基本的に2種類なのかな。単に来店時間が遅かったからか(笑)
ほぼ一人で切り盛りされてるだけに、あまり多くは望めない事も承知していますが、今のところそれほど選択肢がないようです。あと1〜2種類あれば桃のショートケーキと一緒に買うつもりでしたが、今回はカップデザートを一緒に買いました。
続きます。
-----------------------------------
洋菓子マチルダ(まちるだ)
住所:渋谷区代々木4-50-6
最寄駅:小田急線「参宮橋」駅下車、徒歩2分
営業時間:平日/11:00-19:30、土日11:00-19:00
定休日:月曜日
-----------------------------------
タグ:ショートケーキ