2007年04月05日

武蔵小山/patisserie de bon coeur(1):ストロベリーショートケーキ

パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥは、実は以前に一度武蔵小山まで足を運んだことがありました。しかし、思いっきりうろ覚えだったため、お店を見つけることが出来ませんでした。

今度はきちんとメモをとったので無事に到着。JR目黒駅からの乗り換えならあっという間ですが、渋谷経由だと少し面倒に感じる東急目黒線(目蒲線といった方が自分にはしっくりくるんですが…)「武蔵小山」駅の改札を出ると東口(左)・西口(右)の2方向への出口があります。有名なパルム商店街は東口です。このパルム商店街の入口は最初にまず正面と右の二股に分かれていますが、正面側を選んでアーケードを真っ直ぐ進みます。

しばらくすると商店街右前方にマクドナルドが見えてきます。そこに交差するのが「一番通り」と呼ばれる通り。ここを左へ入って真っすぐ。東急ストアの2ブロック先に「さわやか信金」があります。そこを右折してすぐです。

…どう考えてもここは前回通過してます。東急ストアとさわやか信金のある一番通りを前回は5〜6回駆け抜けました!正味1時間近い散歩の末、肩を落として家路に着いたのがまだ記憶に新しいところ。

お店は、お菓子屋とは思えないほどのお洒落な外観。普通のケーキ屋とは明らかに一線を画した内装です。だから判らなかったのかも(^^;)

シェフを務めるのは岩柳麻子氏。パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥではケーキ教室も開かれているんだそうですね。季節の新作が出来ると生楽器の演奏を聴きながら楽しむコレクションパーティが開かれたりと、なんかお洒落ですね。いわゆる頒布会だと思うんですが、こういう風いすると印象がガラっと変わりますね。

さて、気になるラインナップですが、生菓子の数も焼き菓子の数も、実はそれほど多くはありません。生菓子は、2種類のクレームブリュレを含めて10〜15種類といったところ。ショートケーキやチーズケーキ(2種確認しました)、ミルフィーユ、フルーツタルト、抹茶のフォンダンショコラ、クレームブリュレ、モンブラン、春の新作(かな?)ガトー・ピスターシュなど、アレンジこそ独自のものだったりするものの、よく見ると結構ベーシックなケーキが揃っているので、選択時の安心感はあります。

そして、焼き菓子ですが、このうちの2割ほどはマフィンで、パティスリーで買えるベーシックな焼き菓子は多く揃っているとはいえませんでした。パウンドケーキもホールの状態で見た限り、結構小さいですね。ただ、しっかりした焼きの技術があるんじゃないかと生菓子を通じて思えたので、焼き菓子も次回挑戦するつもりです。味はかなり濃厚よりなものが目立つので、生菓子を買う人は他所のお菓子屋の感覚で3〜4つ選ぶと食後の胃が大変かと思います。

ケーキの平均予算は(購入する人によって個人差があるから、あまりこういうのは意味があるのかどうか判りませんが)サダハル・アオキで買い物をするのと同等の予算を計算しておけば、ほぼ正解に近いでしょう。濃厚さを考慮するなら生菓子の購入は男性でも2個で十分過ぎるくらいです。

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○ストロベリーショートケーキ - Fraise Japonais - (¥600)

大きいです。こないだ食べたカー・ヴァンソンも大きかったけど、パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥの方がやや上を行ってるかもしれない。確かに値は張ると思うんですけどね。

上には苺が一粒とハーフカットが3片、フランボワーズが一粒。側面にもたっぷりとクリームが塗られていて、ボリュームがあります。スポンジはざっくり木目粗め。挟まれたシャンティーの中には果肉感が強く残る、すり潰したリュバーブのコンポートがジャム状に近いものになって挟まれています。多分リューバーブの食感だと思いますが、イチゴ風味で煮込んであるのだと思います。これが上に乗ったフルーツとは違う食感の変化を提供してくれています。こういうショートケーキも十分アリじゃないかと思いました。発想っていろんな角度から出来るものなんだなと教わりました。

ただ、ほんとに大きいので一人で食べ切るのは大変かも知れないですね(笑)

実際、二人分だと思っていいと思います。
でも、美味しかったですよ。こないだ食べたカー・ヴァンソンのショートケーキよりも上かな、という気がします。

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patisserie de bon coeur(パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥ)

場所:東京都品川区小山3-11-2-1F
最寄駅:東急目黒線「武蔵小山」駅より徒歩5〜6分
営業時間:12:00-20:00
定休日:多分無休(笑)
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武蔵小山/patisserie de bon coeur(2):桜モンブラン

パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥでは、モンブランはプレーンなものがもう一つありますが、今回は季節ものの「桜」を使ったモンブランを選んでみました。

de_bon_coeur_sakura_mont_blanc.jpg


○桜モンブラン - Sakura Mont Blanc - (¥580)

塩漬けした桜の花弁にピスタチオのハーフカット、砂糖がけしたナッツがそれぞれマロンペーストの上に。砂糖と桜の粉末を左右に振ってあります。

マロンペーストはあまり濃さはなく、中の果肉感溢れるリュバーブのコンポート。ショートケーキの中に入っているのもおそらくこれと同じもの。このジャムの存在感が強いです。モンブランといっても「栗」のお菓子という主張はしてなくて、甘酸っぱさをメインにした春らしいモンブランになっていると思います。

土台の生地は鮮やかな紅色でこれ自体に強い香りがあるとか、そういうのは感じませんでした。そしてその上に薄いダックワーズでしょうか。シャンティーはほぼ無糖に近いと思います。

というわけで、今回は4つ買ったんですが、残り2つはまた明日…。

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patisserie de bon coeur(パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥ)

場所:東京都品川区小山3-11-2-1F
最寄駅:東急目黒線「武蔵小山」駅より徒歩5〜6分
営業時間:12:00-20:00
定休日:多分無休(笑)
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2007年04月06日

武蔵小山/patisserie de bon coeur(3):ゴルゴンゾーラチーズケーキ

生菓子の印象は濃厚で、どれもやや大きめの作りというのが今回受けたパティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥの印象ですが、それはチーズケーキにもよく表れていました。

de_bon_coeur_fromage_sale.jpg


○ゴルゴンゾーラチーズケーキ - Fromage Sale - (¥420)

塩味の効いたゴルゴンゾーラチーズに季節のフルーツが乗ったケーキ。アプリコットですね。隣にはピスタチオのクラムを散らしたシャンティーですが、このシャンティーには中にひと味加えてあるようです。

見た目は非常に爽やかそうではあるものの、チーズの部分はかなり濃厚で、ややクセを持っています。何を混ぜてあるんですかね、緑色のは。バジル?…違うか。パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥにはもう一種類、確かブルーベリーを載せた爽やかなチーズケーキがあったはずですが、そちらとは真逆な性格のケーキです。好きな人はハマるかも。さすがにこのケーキは自分には重たかったです。

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patisserie de bon coeur(パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥ)

場所:東京都品川区小山3-11-2-1F
最寄駅:東急目黒線「武蔵小山」駅より徒歩5〜6分
営業時間:12:00-20:00
定休日:多分無休(笑)
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武蔵小山/patisserie de bon coeur(4):カフェ・ミルフィーユ・シューキャラメル

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○カフェ・ミルフィーユ・シューキャラメル - Cafe Mille-Feuille et Chou Caramel - (¥590)

申し訳ないんですけど、ショーケースで選んだ時点では、上部のカラメルの飴がけ細工が本当に美しかったんです…。持って帰ってきた時にはもう原型なくなってました…。すいません。

こちらのミルフィーユはフィユタージュが3枚。それぞれはしっかりカラメリゼされた割と薄めなもの。これだけしっかりカラメリゼされていながらフィユタ^ジュは非常にサクっとしていて、香ばしく、風味にクセもありません。油っぽくもなく。外側の折り込み部分がやや厚めで、食感はかなりクリスピーです。今まで食べ歩いたお店のフィユタージュとは違います。新たな発見でしたよ。お菓子に対して見つめていた視点が一方向分増えたような、そんな心地です。これはパルムの周辺を延々と彷徨った甲斐がありました(笑)

上部には飴がけされたプチ・シュークリームが4つ。この中には苦みの効いたキャラメルクリームが入っています。パリセヴェイユのサントノーレ・オ・キャラメルを思い出しました。

このカラメルの飴がけは本当にカラメルといった感じで苦みが効いていて美味しいです。

まず最初の層ですが、これは粘り気のあるカフェ風味のクリームが搾ってあり、普通にサンドしてあります。違うのは下の層。上と同じカフェクリームの上、つまりフィユタージュとの間にマーブル模様のチョコプレートが一枚、キャラメルペーストを糊にして固定されてあるんです。更にカフェクリームと一番下のフィユタージュの間にはかなり厚めにチョコが挟んであるんです。これはかなりのボリュームです。ミルフィーユの全体はごく普通な大きさだと思うんですが、食べ終わった時の満腹感は通常の2.5倍はあるといっていいです。

すごいお店を覚えたもんだなと感じました。今回4つ食べましたが、2週間くらいケーキやめようかと思うくらい満腹感は高かった。でも、他のケーキをすべて試したくなりましたね。財布が痛いのを除けば、非常に素晴らしいです。

とにかく個性的。こないだ行ったカー・ヴァンソンもパティシエールのお店ですけど、出してるケーキの性格はまるで異なります。そこかしこに認められる可愛らしさでは女性ならではだと思うし、例えばさきほど紹介したゴルゴンゾーラチーズの使い方などは可愛らしさの中にある非常にストレートかつ濃厚で重さを兼ね備えた表現があって、これも間違いなく女性的です。この重さは男の論理には存在しません。パティシエは濃厚なケーキを作ることはあっても重いケーキはあまり作らないでしょう?変な言い方だけど、「濃厚でもサラッとしてる」部分がある。

実にパティシエールらしいお菓子といえるかも。ここまで女性的なお菓子を食べたのは109件目にして初めて。

ということは、つまり、前述のカー・ヴァンソンのケーキは、パティシエール(女性パティシエ)の作るものであっても、実は非常に男性的な側面を持っているんじゃないかと思うんです。確かに女性らしい優しい味わいでもあるんですが、表現の組み立て方が、どう見ても男だらけの中でカツカツ仕事をしてきた人のものになっています。バニラ風味の強いシャンティーの優しさや、シンプルなガナッシュの苦みなど、非常にサバサバしてるなと思うんです。この優しさって、むしろ男目線からの優しさではないかと自分は感じました。石井ヴァンソン敬子シェフは、もしかしたらそういう部分を持っている人なのではないかと、勝手に妄想しています(笑)

一方で非常に女性的だなと感じたパティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥのケーキ。優しいだとか落ち着くだとかっていうのは男目線から見た女性の表層に過ぎない。…もっと無意識的で本能的なコッテリしたもの、あるよね?この重さって、そういうもののように感じる。悪い重さではない。

岩柳シェフがそういう部分まで計算してるということはおそらくないと思います。いつの間にか自然と表れてしまっているものだと思います。生地の焼き具合だとか食感だとか、そういう部分は試行錯誤や地道な積み重ねがあるのは誰しも同じだと思うんですが。

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patisserie de bon coeur(パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥ)

場所:東京都品川区小山3-11-2-1F
最寄駅:東急目黒線「武蔵小山」駅より徒歩5〜6分
営業時間:12:00-20:00
定休日:多分無休(笑)
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