しかし。……うわあああああ。ミルフィーユ買えなかったー。モンテリマールも買えなかったー。コクシネルもぉ、という事で、今回は目当てのケーキは生菓子については全滅という有り様。焼き菓子の方は無事購入。品川と秋葉原でそれぞれ用事を済ませて経由先の東京駅でちょっとしたロスがあったため、店に着いたのは16時前。そのせいですよね。もっと早く来れば食べれたと思うんです。

今回は初めての来訪という事で生菓子3つ、焼き菓子2つを購入。以下コメントです。
○シュー・ア・ラ・クレーム - Chou à la Crême -(¥250)
皮はしっかり焼かれていて、バニラビーンズの効いた濃厚なカスタードがたっぷり入ってます。卵も濃厚ですが、決してどちらかがどちらかを食ってしまう事なく、両立してると思います。安心しました。
本当にミルフィーユが買えなくて残念でしたが、シュー・ア・ラ・クレームでもカスタードの美味しさは十分確認できたので、特に問題はなかったと言えますね。大きさ・味ともに250円なら十分。このお店のカスタードクリームと自分の相性はかなりいいと感じました。ここは大事な部分です。
○サテュルヌ - Saturne -(¥450)
土星、とかサタンという意味ですが、土星の方かな。薄いビスキュイのような台の上にチョコレートムース。中には紅茶のブリュレ、そして洋酒に漬け込んだ…これはオレンジのピールでしょうか。言い方が判らないんですが、そういうのが入ってました。
ムースの中にあるピールの食感はムースやブリュレのそれとは対義的ですが、これだけでは舌の上での完成度が高まらない。そこへ、台の生地の食感がシャリシャリとして補佐的な関係になっているような気がしました。
一方、ブリュレ。ブリュレだけ舐めると確かに紅茶の味はしますが、上から下へ一気にフォークを入れて全体として一口食べると、決して他の味を邪魔するような強い主張はなく、溶け込み、バランサーとして地味に支えているなあという印象。これがないとチョコレートムースの甘さとオレンジピールなどの食感がうまく繋がらないかもしれないなと。チョコレートムースの持っている濃厚な甘さをうまく和らげてくれている存在でした。「つなぎのブリュレ」と呼びたいと思います。素材同士の食感が相互作用した、とても愉しいケーキですね。
総じて美味しいケーキでしたね。サテュルヌは単に見た目だけで漠然と選んでしまいましたが、大正解のケーキでした。何個か買う時にいつも入れてしまいそうな感じ。
○紅茶(と?)のタルト(¥440)
なんか紅茶が続きますが、紅茶好きなんです。あ、でも、上のサテュルヌに紅茶のブリュレが入っていたのは食べてから気付いた事です(言い訳)。
紅茶のムースの中に果物が入っているのですが、何だったのか失念。ついでに名前の途中も失念してます。申し訳ありません(高嶋政伸@ホテル←古い!)。
生地はパイ生地が何層にも重ねられたものでしょうか。こういう生地もアリかなと思いました。美味しいですね。先ほどシュー・ア・ラ・クレームのところでも書いたように、本来ならミルフィーユで確かめたかったラ・プレシューズの「生地」と「カスタード」の美味しさですが、生地についてはこのタルトでひとまず確認できたのでまあ良かったです。
○ケーク・オ・フリュイ -Cake au Fruits -(¥210/1カット)
最初はホールで買おうかと思ったのですが、店に入って選んでるうちに気が変わってカットしたものを買いました。袋を開けると、ラム酒の香りがハッキリ伝わってきますが、食べた時は特に強い感じはせず、食べやすさがありました。大きさは、イメージではあと少しだけ大きいかと思っていたのですが、別に小さいという事もないですね。
そして、これは完全に好みの問題ですが、僕はもっとバッチリとラム酒が効いていても構いません。多分、先月オーボンヴュータンのケーキを食べたせいじゃないかなと。こういうケーキちょっと頭をクラクラさせてくれるくらいを求めてる自分がいるらしい。うどんは薄い方が好きなんですけど、ケーキはしっかり甘いもの方が自分は好きなようです。
ケーク・オ・フリュイとしての評価は、まだもう少し他所の店のものを食べてからにしようと思います。もちろん美味しかったですよ。ただ、ルコントとかも食べてみたいので…。次回はホールで買おうと思います。
○ダックワーズ - Dacquoise -(¥190/1こ)
ダックワーズ、というのは実は初めて食べるお菓子なので興味津々でした。触った感じでは結構硬いのかと思ったら、噛んだ瞬間に簡単に歯が入っていったし、むしろしっとり。これがダックワーズとして正しい食感なのかどうかは全然判らないので、いい悪いは述べません。
中はアーモンドバタークリームですかね、これは。ダックワーズというのがこういう美味しいものだとは知りませんでした。大きさとかはどうなんだろう。これが標準的なのかな。分厚くて歯触りが愉しいです。ただ、他所のお店でも買ってみるつもりなので評価は次回に回したいと思います。
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(今回の総評)
絶対行くぞ、と決めてかかった分、当日はいろいろと波乱含みな展開で少々いさめられた、といった印象がありましたが、一回目にしては、総じてまずまずでした。期待通りといってよかったし、なるほど人気のあるお店である訳だと思いました。今回買った5点、振り返ってみると同じような色をした菓子ばかりだという事を、画像のレタッチをしている時に気付きました。選択の仕方も当たり障りのない割と無難な印象ですね(笑)
コクシネルとかは今の時期に売ってるんでしょうかねえ。季節ごとに違うものもあるでしょうが、たまたま今日出向いたタイミングが悪かっただけならいいのですが。今回食べられなかったものを次回なんとしても食べたいなと。この辺りがお店へ足を運ばせる動機付けに繋がるんでしょうね。電話すれば取り置いてくれるとの事だったんで、そうしますかね。
また、お店の雰囲気も良かったし、若い女性スタッフの接客も非常に丁寧で好感的でした。ショーケースの前でゆっくり選べる雰囲気作りも、こちらに安心感を持たせてくれるんですよね。イートインするのかテイクアウトするのか最初にちゃんと訊ねてくれる点も気がきいていてグッド。…これって、他所の店では最初に確認してくれる事があまりないので(基本テイクアウトだと思われてしまう。いや、別にそれでもいいんだけど)、恥かしながら、どうもイートインのタイミングというかやり方が判らない。例えばドリンクはいいけど、ケーキはテイクアウトの客にまぎれてショーケースで選んでスタッフに告げればいいのか、それともメニューを持ってきてくれるのをテーブルで待つのか、など。本当にちょっとした些細な事なんだけど、喫茶店とかとは微妙に勝手の違いを感じて割と敷居が高く見えてしまうんですね。ヘタレなんで(笑)。だから、最初に確認をとってくれて、ゆっくりと選ばせてくれる安心感は嬉しかったです。
あと、今回は買わなかったんですが、バタート何とか(「くりぃむなんとか」みたいな言い方ですが)っていうケーキもすごく気になりました。右側の、デコレーションケーキのあるショーケースに並んでいたものなんですが、見た目は「しろたえ」のレアチーズケーキをジャンボサイズにしたような感じのケーキ。美味しそうでしたねえ…。バターを使うのが上手いお店っていうのは好きですよ。そうなるとパンも買ってみたくなります。
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ラ・プレシューズ(La Precieuse)
住所:東京都港区南麻布5-2-37
最寄り駅:
1)日比谷線広尾駅3番出口より外苑西通りを麻布方面へ徒歩3〜4分
2)都営バス品97系統・黒77系統「日赤医療センター下」下車徒歩1分
定休日:月曜日
営業時間:10:00-19:00(L.O.18:30)
下の看板が見えたら路地を右折、赤いファサードが目印。

近くにル・スフレもあっていいですね、広尾は。