大磯へ行ってきた。昼前に到着したのでいい天気だった。
まあそれにしてもあれだ、昼飯で訪れた『杉本』。ここの鳥定食は最高!
宣伝って言われても「宣伝してますが何か?」と言い返すつもりだ。以下クレーム禁止。
ここ『杉本』の鳥定食は多い時一日100食は出るらしいが、実際に出てきてなるほどと頷いた。いざ鳥定食を注文すると運ばれてくるのは、ご飯とお吸い物、唐揚げ、焼き鳥(ささみ、つくね)、鳥のワサビ和え、オシンコ、というデリバリーである。鳥尽くしである。
非常に古風な構えの店であり、席はすべて座敷。初春に薫る風が、障子越しに庭の葉を揺らしている。静かに茶をすすり、待つ。国府津といい二宮といい、ここ大磯といい、この辺りは古い日本の佇まいの中に身を置かせてくれる。そんな中で出てきた鳥定食の、とりわけ唐揚げの旨さは格別だった。どちらかといえば唐揚げとは別に立田揚げとして分類されるかもしれないようなサクサクとした皮の食感、そして弾力のある肉。唐揚げには一家言ある私がたちまち心を奪われた。この唐揚げは素晴らしい。
更に素晴らしかったのは飯だ。唐揚げがあまりに旨いもんだから、調子に乗っておかわりをしてしまったが、2杯目を口にタップリかきこんでるうちに、唐揚げが旨いからというだけではなく、飯そのものが旨いという事にも気付いた。米の飯が旨いっていうのは大事なことだ。この旨い飯とセットであるからこそ、鳥一辺倒の定食がここまで評価されているのだろう。ここの飯は旨い。この唐揚げを食いながら飯をおかわりしない奴は男じゃない。そう思う。
東京唐揚げ友の会会長から言いたい事はひとつ。無類の唐揚げ好きなら一度は食いに行け。旨い。それ以上は例えようがない。とにかく旨かった。ただただ幸せである。それに尽きる。
しかし、困った事がひとつある。この次大磯へ行こうと思う時、私は海へ来るためにではなく、唐揚げを食うために大磯へ来るものなんじゃないかと思えてきている事である。湘南発祥の地である大磯が、自分にとっては唐揚げの町へと変わってしまう事が、少し不安である。だが、それは悪い事ではない。


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杉本(yahoo!グルメ)