伊勢丹地下のジャン=ポール・エヴァンの向かいにあったル・コントですが、4月2日を持って移転、マ・パティスリー脇の、普通のショーケース展示店になってしまいました。喫茶も閉店していました。あそこ、なんか工事するみたいですけど、何が入るんでしょうね。わざわざル・コントを追い出すくらいだから少し期待しているのですが。
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以下コメントです。ちょっとヨロシク。
*今回は税抜き価格で表記してあります。

○タルト・シトロン - Tarte Citron -(\400)
しっとりとしたパート・シュクレに酸味の鮮やかなレモンクリーム。上にはメレンゲに焼き色を付けて、砂糖が振ってあるスライスされたナッツを2枚。非常にシンプル。ちょっとシンプル過ぎて、若干後悔しました。もはや僕の心がピエール・エルメのタルト・シトロンへと向いているからでしょうか。奇抜ではないけど、ココがイイんだ!…というものもイマイチ感じませんでした。
○シュー・ア・ラ・クレーム - Chou a la Creme -(\300)
硬めのシュー皮にナッツが散りばめられた横入れ式のシュー。中のカスタードは甘さ控え目で、バニラ風味よりのもの。…うーん、普通。これなら僕は200円台前半辺りでパリセヴェイユにまっしぐら突っ走りますねえ。硬い皮のシューの中では実にオーソドックスな味ですが、あまりにオーソドックス過ぎて、その値段が負担に感じてしまいます。
○タルト・フレーズ - Tarte Fraise -(\500)
小振りなイチゴが6つ乗ったタルトレット。作りも全体的に小振りです。全面をイチゴのジャムでナパージュ、2つだけピスタチオが上に添えられています。正直、この大きさで500円超えは「高いなあ…」と思ったんですが、ミルフィーユがもっと高かったので、何となくこっちにしました。
生地は中にシャンパンをたっぷりと染み込ませてあります。大人しい、というのがふさわしい印象。大人っぽい、落ち付いてる、っていう意味も含めて。ただ、ちょっと遊び心を求めているフシが今の自分にはあるので、ちょっと掴みが弱い印象があるんですよ。
確かに一個一個に品を感じさせるイチゴも美味しかったんですが、これで400円台前半だったらもう少し評価は高かったな…と。というか、タルト・フレーズというものにこの価格を出すなら、間違いなく僕はフラウラへ行きますし、こうなってくるとやっぱりエーグルドゥースのタルトレット・オー・フレーズは最高だよね!っていう言い方をしてしまわずにはいられなくなってしまいます…。
ここまでベーシックな作りを貫くのであれば、オーボンヴュータンのように、プラスちょっと大人の誘惑というか魔力みたいなものをチラつかせてくれる、ほんの少しの間、自分を大人びたマセた気分にさせてくれるお店の方向へ、僕は爪先を向けてしまうだろうな、と。
今回の総評:甘い誕生日、とはいかず…(笑)
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