2009年07月06日

尾山台/AU BON VIEUX TEMPS(27):アルザス・ローレーヌ

アルザス・ローレーヌ:Alsace Lorraine

生地はブリオッシュになっている。液種はサワークリーム。すもも(プルーノー)と黄すももが入ってる。黄すもも、つまりミラベルのことである。今、旬の素材である。

アルザス・ローレーヌ


ブリオッシュ生地なので、タルトとしては柔らかめ。交互にやってくる二色のすももの酸味が爽やかでいい。プルーノーの方がえぐみが強く、より深くて濃厚な酸味。ミラベルこと黄色すももの方はもっと爽やかに抜けていく。

ミラベルはロレーヌの特産物。厳密にいうとすももは随分沢山の種類があるらしいけど、お菓子で見る機会があるのは大体プラムとミラベルの2つか。黄色いすもものミラベルは都内のパティスリーでも滅多に見かけることはない素材だが、どうやらプラムよりも単価が高いようだ。そこらへんが関係してるのかな? 日本人の酸味の耐性からするとミラベルの方が受けが良さそうだけど。ミラベル好きさん、もっと増えないかな。

アルザス・ローレーヌ


とはいえ、この素材をきちんと押さえている粋なパティスリーが首都圏に、オーボンヴュータン以外に何店かある。

オー・プティ・グルマン「タルト・ロレーヌ」やレピキュリアン「タルト・ミラベル」、7月の週末のみだがパティスリー サロン・ドゥ・テ アミティエの「ミラベル(タルト)」、クリスティーヌ・フェルベールのコンフィチュール(伊勢丹新宿店で購入可能)、そして先日掲載したドゥーパティスリーカフェにもミラベルを使ったコンフィチュールがある。ちなみにオーボンヴュータンへ行く前に訪問した奥沢のアルティザン・ブーランジェ・クピドにも以前デニッシュにミラベルを使ったものを作っていたそうだが、お店の方に伺ってみたところ、以前やってだけど今は作ってないとのこと。

[ AU BON VIEUX TEMPS(オーボンヴュータン)参考サイト ]

住所:東京都世田谷区等々力2-1-14 原田ビル1F
最寄駅:東急大井町線「尾山台」駅下車、ハッピーロード尾山台商店街を左へ徒歩3分ほど
営業時間:9:00-18:30
定休日:水曜日


ちなみに、久しぶりの本店訪問だったのだが、接客してくれた若いスタッフさんに、間違ってしまったらヤバいと思って、念のためにこのアルザス・ローレーヌにはミラベルを使っているのか確認の意味で訊ねたのだが、話が通じなかった(苦笑)

「すもも」と説明してくれた。うん、それは間違いでも何でもないんだ。たしかにすももです。自分が言いたいのは、そのスタッフさんがミラベルという単語を知らなかったってこと。フランス古典菓子や郷土菓子で他の追随を許さない老舗のフランス菓子屋にいてミラベルを知らないのはちょっと勉強不足ではないのかな。

フランス菓子には使われる素材だし、タルトやコンフィチュールはもちろん、グラッセにも使われる。ましてやミラベルを使ってるお菓子を並べるお店はオーボンヴュータン出身シェフのお店である確率は随分高いのだから、てっきりミラベルくらい知ってると思ってたよ。間違いなくミラベルが使われてることを確認してからオーダーしたかっただけなんだが、ちょっと驚いたな。他所の洋菓子屋とかならまだしも、オーボンヴュータンでっていうのは驚いた。いくら若くてもオーボンヴュータンで雇われてる以上、黄色いすももをミラベルと呼ぶことぐらい基礎知識として知っておくべきかと思うよ。

フランス郷土菓子を一つ一つ教わったのは、他でもないオーボンヴュータンだったからね…。ミラベルを知らない若い世代がパティスリーデビューしてるということなんだな、これは…。かくいう自分は食べ歩きを始めて、まだ数年しか経ってないんですが、こんなことを書くとは。ちょっと複雑な気分だ(笑)
posted by 照乃芯 at 01:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | オーボンヴュータン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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