2010年12月31日

21, Rue Bonaparte 75006 PARIS/LADURÉE(1):Saint Honoré Vanille Chocolat

LADURÉE:21 rue Bonaparte 75006 PARIS


今回、ラデュレにはシャンゼリゼ大通り店にまず訪問し、次にヴェルサイユ宮殿店。ヴェルサイユ宮殿の中(出口のそば)にもヴェルサイユ店が小さいブティックながら存在する。続いてボナパルト店へ。行く機会はなかったが、本店はマドレーヌ駅そばのロワイヤル店。

あと、今月書いたリストには記載するかどうか迷ってる最中ではあるものの、シャルル・ド・ゴール空港のエール・フランスのカウンターからほど近い場所にもラデュレの移動販売店(とでも言えばいいのだろうか)があった。キャリーケースを預けてチェックを済ませた向こう側には更にブティックもあったのを帰りの空港で確認した。これも訪問リストの数に入れるべきかどうかは、ちょっと判断できないな…。暇があったら追加しておこうと思う。ヴェルサイユ店もシャルル・ド・ゴール空港店(仮)も主体はマカロンに見えた。今回のパリで結果的に一番多く訪問したのはラデュレかもしれない。次いでジェラール・ミュロか。

実際に訪問した中で菓子を買ったのはボナパルト店。とても寒く雨がシトシト降る夕方の訪問だった。サンジェルマン・デ・プレ(Saint-Germain-des-Prés)駅から200メートル弱、ジャコブ通り(Rue Jacob)との交差点の角にある。

LADURÉE


シャンゼリゼ大通り店では店舗外観と店内の雰囲気、菓子が美しく並ぶビトリーヌの佇まいを堪能するのみにとどめた。平日の日中の訪問だったとはいえ意外と空いていて、ゆっくりと店内を見ることができた。アンジェリック・チバには嬉々として訪問し菓子を買って帰ったのに、ラデュレのシャンゼリゼ大通り店では何も買わずにスルーという初パリの観光客らしからぬ選択は一体どういう風の吹き回しなのかと自分でも思ったが、さすがにボナパルト店をやり過ごすと、この先ラデュレに足を運ぶ機会がなさそうな予感がしたので、買って帰った。

LADURÉE:Saint Honoré Vanille Chocolat


サントノレ・ヴァニーユ・ショコラ:Saint Honoré Vanille Chocolat

というわけで、東京ではまだ一度も経験していなかったラデュレ。パリでついに初ラデュレとなった。一個6.00ユーロ。ショコラにバニラのクリーム。クリームは食べた感じ、バニラ主体。ヴァニーユとあるくらいなので当然として。写真は定宿としていたエコノミーホテルでサクッと。

バニラがたっぷり使われているので、香りだけではなくバニラの持つ甘味も引き出されている。クリームにはほとんど砂糖を感じなかった。おそらくクレーム・フエッテじゃないかと感じた。ショコラはやや甘め。もう少し締まった苦味がある方が好きだが、クレームの軽さの分、甘めに感じた可能性も。

今回はサントノレとミルフイユを食べたが、初ラデュレの感想としては想像していた通りの範囲で、美味しかった。ラデュレでもやっぱり意外と重さは感じなかった。ミルフイユだけはプラリネだったのでピエール・エルメの置き土産というか、味わいも重めに感じた。ボナパルト店の店内はやや狭めではあるものの、奥にはサロン・ド・テもあり、地元らしき人も行列に加わっていた。

[ LADURÉE(ラデュレ) ]

場所:21, rue Bonaparte 75006 PARIS
最寄駅:メトロ4番線「サンジェルマン・デ・プレ」駅よりボナパルト通りを北上、ヤコブ通りの交差点角。
営業時間:8:30-19:30(平日)
休日:なし

2010年12月30日

上馬/Boulangerie Sous le ciel de Paris パリの空の下(100):ミルフイユ

ミルフイユ:Mille Feuille


ミルフイユ:Mille Feuille

「好きな菓子屋に並んでいてほしい必須メニュの一つ」と決め、いささか野暮ったくもあるこのクラシックな菓子を今まで好んできた。パリのパティスリーにも普通に並んでたし、ブランジュリーにもあった。レストランのデセールにもあった。東京でだって、多くの店で並んでる。そのお店のミルフイユを食べて、僅かで構わないから作り手のフランス菓子への思いを感じられたら。

ミルフイユ:Mille Feuille


サロンがやや暗かったので定かではないし、シェ・ジョルジュのデセールを引き合いに出すのは本職に失礼かもしれないが、あの暗がりで見たミルフイユは今回のパリで食べたミルフイユの中では一番雑に見えたにも関わらず、どの店のミルフイユにもあまり感じられなかった大らかさが皿の上に存在していた。フランス料理の中にフランス菓子があるということを、シェ・ジョルジュのミルフイユは間違いなく自分に語りかけてくれた。最初はタルト・タタンを注文したはずだったが、なかったらしくて急遽ミルフイユに変更したのが功を奏した。それが、今東京で自分の前にあるミルフイユにも確かに存在していた。

もちろん味わいはシェ・ジョルジュのそれとは別。ただ、どちらにも、どこか大らかさが存在しているという意味では、やっぱり同じ土俵の上で見てもいいのではないかと感じた。真ん中の層のフイユタージュに一番いい塩気を感じる。しっかりしたそれぞれのフイユタージュは苦味もなく、アンヴェルセで折られてる。上面はそれぞれカラメリゼ。カラメリゼを見ていると、樹木から染み出してきた樹液のように見える時がある。二層目のフイユタージュのカラメリゼが少し水分を吸って脇に染み出しているように見えるところが、いい表情をしてる。

ミルフイユ:Mille Feuille


幾重にも重なる落ち葉を踏んだ時の音の乾き。でも、決して乾き過ぎてない。クレーム・パティシエールの水分を少し吸った、柔らかめの食感になったフイユタージュも美味しさのポイントとしてあっていいと思う。折り重なる木の葉の、上からは見えない乾いた葉の下に埋もれている下層の葉が土の水分を吸って幾らか湿ったかのような柔らかさ。ちゃんと森の中の落ち葉になってる。

クレーム・パティシエールは卵感が程よく充実し、しかしくどくなく、バニラの香りが溢れてくる。帰国して感じるのは、このお店のバニラの量は半端じゃないということ(笑) 以前から確かに圧倒的なバニラの量であることは判ってたつもりだったが、もしかしてパリで食べられる菓子よりも、このお店のバニラの量は相当多いのでは? そう感じた。パリの中でもおそらく強めだろうなと。パリで食べたミルフイユをはじめ、パリの菓子は本当にたっぷりとバニラが使われていた。砂糖を沢山入れるのではなく、バニラの持つ甘味が自然と立ち籠めてくるような印象だった。そのパリの菓子と比べても、確実にバニラの量は多く感じる。

フイユタージュとの相性がとてもいい。クレーム・パティシエールを口にしていて一番幸せを感じるのはフイユタージュと混じり合った時と、それを噛み締めている時。

ミルフイユ:Mille Feuille


ミルフイユのある佇まいを眺めて

まだ現時点では、このミルフイユが店に並ぶ予定がないらしい(と思う)。
このミルフイユが、あのビトリーヌに一列並んでる佇まいを、この目で見てみたい。
パリで自分の目に映り込み焼き付いた、あの佇まい。

お店に足を運ぶ他のお客さんが食べられる日が来てほしい。
このお菓子がビトリーヌに並ぶその佇まいを眺められる時間が、
お店に足を運ぶお客さんにもたらされてほしい。
そんな時間が流れる日が他の人の日常にも佇む日が来たら、
たぶんそれは豊かなのかも知れない気がする。

食べ終えた今、それを心から願っています。

[ Boulangerie Sous le ciel de Paris(ブランジュリー パリの空の下) ]

場所:東京都世田谷区上馬5-40-13
最寄駅:東急田園都市線「三軒茶屋」駅より徒歩10分。東急バス「若林3丁目」下車、徒歩1分。世田谷通り沿い、環七交差点交番の先。
営業時間:11:00-19:00(商品がなくなり次第終了)
定休日:日、月、火曜

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2010年12月27日

連載/甘時間 - ama-jikan - パリ編 第一章(8):Tour Eiffel. 朝日とシャンパーニュの煌めき。

エッフェル塔/Tour Eiffel


2010年11月24日。デジカメの時計は東京の時間のままで、18時16分になっている。パリとの時差は-8時間だから、朝9時過ぎ。トロカデロ広場からシャイヨー宮に入って、ついにエッフェル塔を前に。パリ右岸。この塔がどちらの方角に見えるかで、おおよその立ち位置を把握することがあったが、これから何度も見上げることになるこの塔の前についにやってくることが出来た。

この時期、夜明けがやや遅いパリ。もうじき昼だが、まだ午前中。パリに来てからまだなかなか陽射しが出てくれない。そんな中、雲の切れ間からかすかに日が覗きかけていた。

今回、エッフェル塔には登らなかった。興味がなかったわけじゃないんだけど、落ち着いて考えてみたら、エッフェル塔に登ってパリを眺めても、そこにエッフェル塔は見つけられないよな……と思ったら、外から見た方がよさそうだと感じた。東京なら東京タワーを見るくらいベタな観光スポットなのかも知れないが、初めて自分の肉眼で見るエッフェル塔は感動的だった。あそこにあるエッフェル塔。手を伸ばせば触れられそうなほど傍に。

エッフェル塔/Tour Eiffel


後ろにはサロン・ド・テ カレットがある。エクレール、ミルフイユ、マカロン、オペラを食べた。マカロンは、パリでは数少なくなったと聞くムラング・フランセーズを守るお店。パリで食べた最初のマカロン。ガルニチュールがたっぷりで美味しい。エクレールも中のクレームがたっぷりだった。パリで食べたエクレールはいくつかあったけど、シュー皮は割と薄皮に感じられたな。その分、クリーム多め。

ミルフイユもパリでは最初の一つになった。まだこの日までは店の中でおいそれと一眼レフを出せる勇気がなかったので写真は一切ないのだが、ミルフイユは心地良いパリパリのフイユタージュで、フォークの差し具合も良かった。クレーム・パティシエールはバニラ感がたっぷりで、それ以外の無駄な甘さがない。バニラの持つ自然な甘さだけが香ってくるような心地良い軽さ。後日食べたラデュレやデ・ガトー・エ・デュ・パンのミルフイユがかなり甘めに感じられるくらい、カレットのミルフイユは軽めの味わいで食べやすい。この後に控える昼食は、前日のオテル・ド・クリヨンのレ・ザンバサドゥールに続いて星付きのグランベフール。朝からこんなに食べて大丈夫なのか?

眼下に広がるのはセーヌ川とシャン・ド・マルス広場。次にパリへ来た時はあの塔の鉄骨に触れて来ようと思った(今回はその機会がなかった)。

エッフェル塔/Tour Eiffel


エッフェル塔が出来た当時はモンパルナスタワーのように、あれこれ言われたりしたそうだし、2007年にはイギリスで三大がっかり観光スポットの一つに挙げられたそうだが、パリのランドマークとして素晴らしい佇まいだし、パリにいた11日間で何度この塔を見上げ続けたことか。時には橋のたもとから、そして時には街中から…。

夜を照らすトゥー・レッフェル。

シャンゼリゼのイルミネーションを見た夜も、シェ・ジョルジュで満喫した後に歩いて夜のポンヌフ橋や今も照らされ続けるサマリテーヌを見た夜も、いつもエッフェル塔はパリの空を照らしていた。光がグルッと空を旋回する様子、一時間に5分だか10分だかキラキラ輝く様子。まるでシャンパーニュの気泡のように煌めいている。あるいは、スーパーマリオの無敵状態のような。

オペラ・ガルニエといい、エッフェル塔といい、シャンゼリゼといい、パリは照明にどれだけお金をかけているのだろうか。ギャラリー ラ・ファイエットは個人のポケットであれだけの電飾を賄っているそうだが。パリで印象的だったものの一つは、やっぱり光。夜のポンヌフ橋なんて、そこにいるだけで愛おしくなってくる。

エッフェル塔/Tour Eiffel
posted by 照乃芯 at 00:10 | パリ ☁ | Comment(2) | TrackBack(0) | 連載/甘時間 - ama-jikan - パリ編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月26日

上馬/Boulangerie Sous le ciel de Paris パリの空の下(99):ビュッシュ・ド・ノエル・トリュフ

ビュッシュ・ド・ノエル・トリュフ:Bûches de Noël Truffe


ビュッシュ・ド・ノエル・トリュフ:Bûches de Noël Truffe

今年のビュッシュ・ド・ノエルは2種類あって、そのうちの一つは世界三大珍味の一つ、トリュフを使ったビュッシュ・ド・ノエル。土台にフォンド・ダックワーズ・アマンド・ノワゼット、ババロワーズ・レジェ・オ・トリュフ、中央にクレムー・ペリグー。飾りのトリュフ・ショコラは中にトリュフが入ったショコラ・ブラン。齧っていると次第に黒トリュフの香りが押し上げてくる。

ビュッシュ・ド・ノエル・トリュフ:Bûches de Noël Truffe


全体はカカオでピストレ仕上げになっている。思えば一年越しのビュッシュ。基本的には一年に一台の購入と決めている。去年は違うお店でアントルメをすでに秋の時点で予約していたので、まさかその2台って自分なわけないな、自分の考え過ぎだろう……という思いが強くてスルーしてしまったのだが、今年は念願成就。年明けに事実を知って「申し訳ない」の思いで過ごした今年一年。

ビュッシュ・ド・ノエル・トリュフ:Bûches de Noël Truffe


箱を開けた瞬間からトリュフの香りが立ちこめる。センターのクレムー・ペリグーはやや弾力を感じさせる食感になっていて、クレーム・フエッテが入ってないもの。土台にフォンド・ダックワーズ・アマンド・ノワゼットはノワゼットの砕いたものが沢山散りばめられていて、食感を楽しめる。飾りのトリュフ・ショコラもまたトリュフの香り満載で、このままでもお菓子として十分なくらい。

ビュッシュ・ド・ノエル・トリュフ:Bûches de Noël Truffe


メインのババロワから感じられるミルキーな味わいとトリュフの香り、土台の生地のザックリ感との対比。甘さは全体的にすっきりとしていて、一番甘く感じられるのが土台のフォンド・ダックワーズ・アマンド・ノワゼットというくらいすっきりまとまっている。普段トリュフを食べることがほとんどないから、ケーキでたっぷり味わうというのも不思議な感覚。2cmくらいに切り分けて食べてみると、トリュフを削って散らしたフォアグラのテリーヌみたいな心地になる。ペリゴールを彷彿とさせる。行ったことないけど。

ビュッシュ・ド・ノエル・トリュフ:Bûches de Noël Truffe


[ Boulangerie Sous le ciel de Paris(ブランジュリー パリの空の下) ]

場所:東京都世田谷区上馬5-40-13
最寄駅:東急田園都市線「三軒茶屋」駅より徒歩10分。東急バス「若林3丁目」下車、徒歩1分。世田谷通り沿い、環七交差点交番の先。
営業時間:11:00-19:00(商品がなくなり次第終了)
定休日:日、月、火曜

posted by 照乃芯 at 18:20 | パリ 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | パリの空の下 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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