
マカロン(フランボワーズ):Macaron Framboise
パティシエの腕を見ると聞くマカロン。パティシエならマカロンを作ってほしい、そして食べてみたい……そう願って訊いてみたのは2月だったか。お店ではマカロンが作れない訳を訊いて以来、自分の中では「幻のマカロン」だった。巴シェフがアルノー・デルモンテル時代にパリで高い評価を得たこのマカロンを食べる機会に恵まれた事にとても感謝したい。その思いを、この記事と写真に代えさせていただきたいと。最高の贈り物。

思えばクロワッサン、ナポリテーヌ、ギャレット・デ・ロワとその時のフェーブ、フレジエ、シャルロット、そしてル・ソレイユ。……贈り物を貰うことが多かった。青森名産品シリーズも!(笑)
これほどの贈り物を受け取っていながら、マカロンも……は贅沢なわがままだなと思いもすれど、一つ手に入れたら次が欲しくなるのも、また人というもの。心の中で額縁に飾られたあのマカロン。目の前にあるのが不思議な感覚だ。
むしろ感謝するのはこちらの方。一年前の開店日には足を運べなかったから言えなかった一言は、それから一年後のささやかな贈り物の裏に添えてきた。東京へようこそ。

白い箱に6つ入ったその一つひとつは直径約5.5cm、高さ約2.3cm。直径5cmに達する都内ではほぼ最大クラスといっていいかもしれない。多くが大体3〜4cmほどだから、見た瞬間驚く。ピエール・エルメで大体4cmを超えるかどうか、都内で見られるマカロンでは割と大きめに感じられるくらい。和光で食べたマカロン・ショコラが5.5cmくらいだったろうか。イデミ・スギノでバレンタインの時に焼くハート型のマカロンはかなり大きいけど、あれは特大サイズだから通常の店売りマカロンとしては規格外か。

形がいい。外に出過ぎず上面の生地に対して高さのあるピエ、その上面(表面)もカラフルなどら焼きに見えてしまうような丸さではなく、表面がきちんと平らになっている。一口噛んだ時のクシュッとした歯触りが来たあとのねっちりさ。ねっちりといっても歯に付くようなしつこさは微塵もなく。
たっぷり挟まれた種入りフランボワーズのガルニチュールがとても美味しい。美味しいガルニチュールが挟まれたマカロンに出会えた時ほどガルニチュールに対する美味しさにもっと目を向けられてしかるべきでは?と思う時はない。店によってガラッと変わる生地の食感ばかりが先行して、それゆえの嗜好に位置づけられる事があるとしたら、きっと勿体ない話だろうかと。もっともっと美味しいマカロンがこの東京に溢れて欲しい。
生地の色もいい。淡過ぎるパステルカラーのようなものはマカロンに対する構えを解いてくれやすいかもしれないけど、この色鮮やかなマカロンは、やっぱり綺麗だ。

固より、自分にとって「ブランジュリー パリの空の下」に昨年11月に出会った事自体が、『甘時間』を5年続けてきたことに対する「ご褒美」以外の何ものでもないという受け止め方だった。そしてこのお店に一年通い続けて、とうとうこの日、マカロンを食べることができた。これもまた「ご褒美」以外の何ものでもないと感じる。今どき、どこのパティスリーでもマカロンはあるから、決して珍しいお菓子ではなくなってきているのだけど、自分にとってこのお店のマカロンは、食べたくても食べられない幻のお菓子だった。台風の中、足を運んで良かった……(笑)
[ Boulangerie Sous le ciel de Paris(ブランジュリー パリの空の下) ]
場所:東京都世田谷区上馬5-40-13
最寄駅:東急田園都市線「三軒茶屋」駅より徒歩10分。東急バス「若林3丁目」下車、徒歩1分。世田谷通り沿い、環七交差点交番の先。
営業時間:11:00-19:00(商品がなくなり次第終了)
定休日:日、月、火曜
場所:東京都世田谷区上馬5-40-13
最寄駅:東急田園都市線「三軒茶屋」駅より徒歩10分。東急バス「若林3丁目」下車、徒歩1分。世田谷通り沿い、環七交差点交番の先。
営業時間:11:00-19:00(商品がなくなり次第終了)
定休日:日、月、火曜