瀬戸内レモンのウィークエンド:Week end瀬戸内レモンの週末。いかがお過ごしでしょうか。
瀬戸内レモンって、なんかアニメのキャラクター名っぽく聞こえる。
一個450円。このパウンドケーキのホールサイズは900円で、他にカット売りも入口左に置いてあるのだが、タルト菓子のショーケースの中にプチガトーサイズのこのパウンドケーキがあったので購入した。ケーキを宝石のように例えられることも今時なら多いと思うが、一方でこのようなミニチュア世界観もお菓子の世界にあった方が楽しい。綺麗ばかりではなく、ワクワクがないと。ミニチュアにすることで味が小さくなる危険もあるけど、こんな遊び心があった方が、フランス菓子っぽくていい。

生地の水分バランスも悪くない。個人的な理想はあと少ししっとり。心なしかレモンピールも他所のウィークエンドよりも多めに感じる。レモンの爽やかな香りが芳醇に溢れてくる。グラス・ア・ローも甘さ加減が良く、理想的で美味しい。今まで食べたウィークエンドの中では一番食べやすいタイプだった。美味しいウィークエンドを探している人は一度このお店に足を運ぶ価値アリ。
さて、2年振りだろうか、このお店に来るのは。吉祥寺というと、どうしても駅から近場のレピキュリアンを利用してしまうため、久しく足が遠のいていた。初めてA.K Laboに来た頃は、まだ行く先々のパティスリーがどれも目新しくて新鮮に感じられた。あれから今日までの間に随分と沢山のパティスリーへ足を運んだけど、寿司ネタケースの風変わりなパティスリーのことを決して忘れたことはなかった。
男の足でも駅から店まで徒歩10分余りは歩く。気持ち遠いとは思う、正直な話。ただ、A.K Laboは可愛らしい店構えの割に渋めなラインナップで好きだ。「苦」といえるほどではない。シェフがオーボンヴュータンに憧れてる志向からこのような渋めのラインナップになってると思うが、あまりムース菓子を置かず、タルトや焼き菓子を中心にした生地を食べさせてくれるところがいい。もし吉祥寺でレピキュリアン以外の選択肢を挙げるなら、やはりこのお店の名前が次に浮かんでくる。吉祥寺大通りを進んで右へ行くか左へ行くかと問われたら絶対に左へ向かう。
今回A.K Laboに来たのは、このお店がベレ・バスクを作っているらしいと知ったから。ベレ・バスクとはバスク地方で食べられる、スプレーチョコをまぶしたチョコケーキ。ベレー帽に似た形からこの名がついている。フランス地方菓子をいろいろ知っていく過程の中で出会った、かのオーボンヴュータンにさえ並んでいないはずのスペイン国境に近いこの地方菓子を、菓子教室に通うことなく店売りで買って帰れるところはないかと探したところ、どうやらA.K Laboらしいぜと。
しかし、残念ながら見当たらなかった。今はもう作ってないのか、時期的なものがあるのか。それを訊けば良かったが、また近々訪問する予定なので、次の機会でもいいかと。