
はたまた、東急東横75周年バレンタインイベント『SHIBUYA Sweets Collection 2009』に出店していたパティスリー・カナエのマカロン詰め合わせ16種の3セット目(数が多いため、4個ずつ4回に分けて掲載)。

○黒ごま - Sésame Noir -
黒ごまを練り合わせた生地の上に黒ごまがふってあるので、一目見ただけで判るフレーバー。竹炭も似たような色だが、竹炭の方がより黒に近い。黒ごまの方はグレー。中は擦りごま入りのガナッシュ。
粒を噛んだ時のごまの香ばしさがあって、いい。
ツブツブオレンジ世代に訴えかけるものが感じられた。美味しかった。オススメ。
○山椒 - Poivre Japonais "Sansho" -
山椒もいいな。独特のツーンとくるような涼しい抜けのある香りが、とても品良くていい。合わせてあるのはガナッシュショコラ。スパイシーな余韻が引く後味もいい。和を感じさせてくれる。和風フレーバーの中では一番際立ってた。美味しかった。これもオススメ。

○ショコラ - Chocolat -
カカオニブが上下に2粒づつ。ビターめなガナッシュショコラ入り。まあ、特別なインパクトは感じられなかった。もうちょっとクリームが多めだといいと思う。好みとして。

○抹茶 - Thé Vert -
京都らしいフレーバーといえる。この抹茶は美味しい。中は粒あん入りガナッシュ。一口噛んだ瞬間にお茶の持つ渋みが香りとしてきちんと伝わってくる。風を感じた。すべては最初の一口のタイミング。
たとえフランス菓子というフォーマットであっても、もし日本人シェフが抹茶を使うなら最低限こういう使い方をしなきゃいけないと思う。この抹茶の生かし方はさすが京都のパティスリーだなと感じた。これはいい。オススメ。
苦味を生かすために甘味を引くのは全く悪いことではないと思う。そうするべき時にフランス菓子の枠に捕われすぎて苦味を殺すくらいなら、「甘味を引く」はアリだろう。甘さ控えめではなく、苦味(渋味も合わせて)を生かすための引き算。抹茶を使った時に甘さを引かないのは日本人として精神的にも論理的にも矛盾してると思う。お茶に砂糖を入れないのは、日本人として当たり前のことだから。フランス菓子というフォーマットにのっとっている以上砂糖を使わないことはあり得ないだろうけど、抹茶を使うなら最低限守るべきガイドラインは日本人として頭に存在して然るべき、かと。
全部判ってて、「でも、それをやってはフランス菓子にならないから。それに抹茶のお菓子はフランス菓子にないものだから」という理由で抹茶を使わないなら、伝えたいことが伝わってくる。それを強く意識してるシェフなら尚更フランス菓子に抹茶を使わないだろうし、それがフランス菓子だという主張があるから、コミュニケーションが成立する。
かたや、日本人なんだから抹茶を素材に使うのは自然なこと、日本人の方がずっと苦味や渋味を上手に表現できるはず、と果敢に挑戦するのも同様に主張があり、コミュニケーションが成立しうる。この抹茶マカロンは後者として美味しかった。
[ PÂTISSERIE KANAE(パティスリー・カナエ) ]
場所:京都府京都市中京区河原町蛸薬師東入る
最寄駅:京阪「三条」駅下車、河原真理三条下ルハーゲンダッツの角を東へ
営業時間:11:00-21:00
定休日:無休
場所:京都府京都市中京区河原町蛸薬師東入る
最寄駅:京阪「三条」駅下車、河原真理三条下ルハーゲンダッツの角を東へ
営業時間:11:00-21:00
定休日:無休