2006年12月31日を持って長きに渡る歴史に幕を閉じた渋谷フランセ。…しかし、その支店である東急プラザ2Fのカフェは明けて2007年1月15日まで営業を続けていました。その最後の日となった15日の月曜日の夜、もうあと少しで閉店を迎える間際に、訪問する事が出来ました。
渋谷フランセ閉店したんだよ、っていうレポートはこの甘時間でも先日お伝えした通り。
もちろん、自分もここの存在を知っていたわけではなく、年が明けてから東急プラザのその場所に支店がある事を後で知り、無論「閉店してしまったけど、渋谷フランセが入ってるくらいだから、東急プラザにもパティスリーがあるんじゃないか?」とふと思い立って、バスに乗って帰宅するのをしばし遅らせ、立ち寄ってみたのです。
エスカレーターで2Fに上がり、左へグルっと曲がったその先に渋谷フランセがありました。なんと営業していたのです。驚きました。まさか営業しているとは。ショーケースにはまだ何種類かのケーキさえ並んでいるのが10m後方からでも十分に確認出来ました。嬉しさと同時に、先日渋谷の街角にある閉じられたドアの前で見た、覚えのある紙が一枚貼られている事にも気付きました。
「1月15日を持って…」
今日でした。その日だったのです。なんていう巡り合わせかと思いました。出会いと別れが同時に来てしまった事の切なさ。まだサロンにはお茶とケーキを愉しむお客さんが何組もいました。こんな風に、今日まで毎日変わらず営業していた風景。
「愛されてるもの」が自分の目の前にありました。
「愛されてるもの」はやがて数刻を経て、
「愛されてきたもの」へと姿形を変えようとしていました。
愛する事に間に合ったんだろうか。
「間に合ったんだと思う。」
そう想いたかった。
「愛されてきたもの」を見届ける事は出来た。それがどんなものだったのか、自分の舌で確認し、�の中に取り込んでしまう事さえ出来た。
○カスタードプリン - Castard Pudding - (¥210)ふんわりとしたシャンティイーの上にピスターシュのハーフカットが一片。表面全体にはシュガーパウダーが降り掛かっています。プリンの上にはバニラビーンズと、軽くリキュールの香るカスタード。カラメルは比較的苦め寄り。プリン自体も硬めに近いクラシックな感じ。これがいい。なめらか過ぎるプリンよりも、硬めで美味しいプリンにもっと出てきてほしい。


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渋谷フランセ2006年12月31日閉店
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