2006年06月26日

紀尾井町ニューオータニ/PIERRE HERME Patissier(2):エモーション・モザイク

pierreherme_emotion_mosaic.jpg

○エモーション・モザイク - Emotion Mosaic -(¥735)

ドゥ・ミルフィーユの他に何を買おうか迷ったんですが、最近出たモザイクシリーズから一つ選んでみました。ニューオータニのラインナップってあれだけなんでしょうか。もう少しあるといいんですけど…。青山は面倒だから行くの止めちゃった。

下からグリオットのジュレ、ピスタチオのジュレ、ピスタチオ風味のダックワーズ、ピスタチオ・アングレーズとマスカルポーネチーズを合わせたクリーム。グラスに入ったこれらを丸いホワイトチョコでフタをして、上にアメリカンチェリーという構成です。このグラスはそのまま飲み物用として普段使えますね(笑)…グラス代の分はいくらなんでしょうね。

デセール的なケーキですが、グリオットとピスタチオの組み合わせは、一瞬フラウラのタルト・オー・マカロンを思い出しました。この部分はルノートル門下の共通点と見ていいんでしょうか。

ピスタチオは本当に軽い酸味程度で、口当たりは軽く食べ易いですが、実は一番下にはシッカリお酒の効いたグリオットがゴロゴロと沢山、まるでタピオカみたいにジュレの中に入っています。これが結構来る(笑)

こないだ下北沢で靴を買った帰りに「たぴおか屋」でマンゴー・タピオカを飲んだばかりなので、どうしてもタピオカを連想してしまうんです(つい寄っちゃうな、あのお店)。それにしても、一番最後に食べる部分にこれっていうのはガツンときます…。そういうの好きですけどね。全体的なお味は、まあ普通という感じです。あっ、お酒の効いたグリオットは普通じゃ、ないか。

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PIERRE HERME Patissier(ピエール・エルメ・パティシエ)

場所:東京都千代田区紀尾井町4-1 ホテルニューオータニ・メインロビィ1階右手
最寄駅:JR中央線「四谷」駅より徒歩5分
営業時間:11:00-21:00
定休日:無休

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紀尾井町ニューオータニ/PIERRE HERME Patissier(1):ドゥ・ミルフィーユ

6/10の土曜日の昼過ぎにピエール・エルメに行ってきました。新宿伊勢丹でエルメのミルフィーユがどんなものなのか「確認だけ」した事があったんですが、買うならニューオータニで、と思っていました。

今回はJR四谷駅から訪問しましたが、今は外堀公園沿いの坂を紫陽花を鑑賞しながらオータニに行けます。これは断然オススメです。

到着後、メインロビィ1階の右手にブティックを見つけた時は正直その狭さに面食らいましたが、せっかくなのでサツキのショーケースも覗いていきました。ですが特に買いたくなるケーキもなかったので(笑)、素直にエルメのサロンへ踵を返し、ドゥ・ミルフィーユとエモーション・モザイクを買っていきました。

帰りは半蔵門線で渋谷へ寄ってゆくため永田町まで移動。紀尾井坂の美しい並木の間隔と配列に軽く視線を仰ぎつつ下りきると、「そこ」はちょうど谷間になってて、昇りの清水谷坂でヒドイ目に遭いました(>_<) でも、なんとなく思うのですが、もしかしたら清水谷で右へ曲がっていれば、平坦な道のまま永田町へ行けたのではないかと。あの坂をわざわざ昇って赤プリの方まで回っていった自分はまさか…………。

最後に負け惜しみですが、清水谷坂にはエスカレーターを付けるべきではないでしょうか(笑)

pierreherme_2000feuille.jpg

○ドゥ・ミルフィーユ - 2000 Feuille -(¥630)

…実はエルメのミルフィーユはとても濃厚であるという話を聞いていたため、わざと先送りして、これまでいろんなお店のミルフィーユを食べ歩いて自分の中で下地(舌地)となるものを作ってきました。パティスリー巡りも、かれこれ47ヶ所になるでしょうか。最初のイメージ・基準にエルメを持ってくるのではなく、まず外堀から埋めるような感覚で食べてきました。日本人目線のミルフィーユから始めて、フランス人目線で締めると、見え方に広がりがあると思うし、更なる探求心も芽生えるのではないかなと。それで、そろそろエルメを見ておくいいタイミングだと思って、先週(6/4の事です)のイル・プルー・シュル・ラ・セーヌに続いて、足を運びました。

何種類かミルフィーユが存在するのは知っていたのですが、この日ショーケースにあったのはドゥ・ミルフィーユとミルフィーユ・モザイクの2種。購入したのはドゥ・ミルフィーユの方でした。そして、実際に食べた印象ですが……美味しい!

もっと早く食べとけばよかった(笑)
とにかく大きい!ここまで大きいとは思わなかった。
全長約10cm。高さ約4.5cm。レピキュリアンのミルフィーユと比べたら3:1くらいの比率がありそうな感じです。いや別にレピキュリアンを責めてるわけではありません(笑)

630円ですけど、これならまあいいかな。

さてケーキのほうですが、よくカラメリゼされたフィユタージュの上にアーモンドが一粒。これも単なる飾りというんではなく、甘くて非常に食べ易く美味しいと同時に、これから口へと運ばれてゆくプラリネクリームなどのアンサンブルのアイキャッチ的な存在感を醸し出してます。

下層がナッツの混ざったプラリネクリーム、上層がプラリネ風味のムースリーヌ。フィユタージュもサクサクとしてて理想的です。その断面を見ると、とても美しいです。ミルフィーユのフィユタージュってこうあってほしいなあとつくづく感じさせてくれます。決して「バリバリ」ではなく「サクサク」であるという点が実に好ましいと感じます。苦味もなく、必要最小限度の香ばしさを保っていて、しかも硬過ぎず。とても好きになりました。

そして色。食べる前に上面にアーモンドを一粒載せておく事で、茶色のグラデーションが始まる事を視覚的に印象付けています。ちゃんと「意味」があるんですね。千枚の木の葉(ドゥ・ミルフィーユだと二千枚ですね)であるのだから、木や葉の色である茶系統でまとめているのは色彩的に非常に理にかなったもので、一瞬木の葉が沢山重なったようなイメージ、二次的な視覚効果を与えてくれますよね。基本に忠実というか、土着の側面ですね。クラシックなケーキの中に、文化や風土・歴史・(人の)営みを踏まえた土着を盛り込んで丁寧に作りこんでゆけるシェフには相応の実力というものを感じます。

ピエール・エルメのミルフィーユを眺めていると、いつの間にか自分は自然の中に立っています。

歩き出すと、小枝の折れる音や、重なった木の葉が擦れ合う音だけが鼓膜を叩きます。ふと、しゃがんで足元の木の葉を千枚掻き集め始めた自分は、本物の木の葉を重ねる事でミルフィーユを作ってみます。

…………すると、それは次の瞬間、台所に立ってキャベツに包丁を入れて断面を繁々と見つめている場面に移り変わり、すぐに次の瞬間にはエルメのミルフィーユにフォークを入れている自分に変わっているのです。さっきまで白いお皿の上に載ったミルフィーユを繁々と眺めていた自分が我に返ります。

「ああ、ここに本物がある。」

ここでいう「本物」とはフランスの文化や血が身体に流れるフランス人の作ったもの、という意味です。一瞬、今まで食べてきたお店のミルフィーユすべてが目の前に現れ、そしていくつものミルフィーユが幻になって消えていきます。そこに残った一つのミルフィーユ。エルメでした。

見た目の雰囲気だけで要素を追加してしまうというのは、実は余計な足し算なんですね。イチゴを載せたり、フランボワーズを載せたりするのも、正直な気持ちとして自分には余計な仕事だと感じています。味本位の結果として、フィユタージュのサクサク感を損なわずに水分の豊富なフルーツを持ってくる二律背反的な要素を組み合わせる技術とスキルを持ち合わせているのならOKなのですが、そこを克服したいがためにフィユタージュをバリバリにして切りづらくしてしまっては「食べにくいケーキ」という評価につながり兼ねませんし。要はきちんと引き算がなされているか否か。何故イチゴが載っているのか。何故イチゴが載っていないのか。

エルメのミルフィーユは濃厚ですがそれは決して足し算ではありません。そして、それが何をイメージしているのか本人に喋ってもらわなくても伝わってくるのは、つまり十分に引き算ができているからです。ケーキの中にコミュニケーションが存在し、コミュニケーションが成立する。これはすごく大事なことではないでしょうか。視覚的に味覚的に伝達すべきデザインがこのミルフィーユには備わっている証拠であるということです。さすがエルメ。これは納得です。もうこれ以上の贅言は不必要だと思います。

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PIERRE HERME Patissier(ピエール・エルメ・パティシエ)

場所:東京都千代田区紀尾井町4-1 ホテルニューオータニ・メインロビィ1階右手
最寄駅:JR中央線「四谷」駅より徒歩5分
営業時間:11:00-21:00
定休日:無休

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2006年06月23日

新宿ルミネ1/Roll MADU(1):マンゴー、トロピカル

仕事帰りの疲れた身体が「とにかく甘いものを…」と要求してきたので、ロール・マディでロールケーキを2つ買っていきました。思えば、これもすでに先々週の6/7は水曜日の夜の話で恐縮なんですが…。

南口構内のエスカレーターを降りる時に左にいつも見えてくる新宿ルミネ1のB2F。「まだ空いてるの?」と雪崩れこんだところ、ロール・マディが目について、二つほど確保しました。新宿ルミネは夜10時まで開いているから、こんな時間でも買えるんですよねえ。選択肢はあまりないんですけど。他にはチース・ケーキ・ファクトリーとか1.2.3.ファクトリーとかがあります(ファクトリーばっか)。あと、やけに割高感のあるタルト屋さんとか(笑)

ちなみに、ここは「MADU」とありますが、HAKKA GROUPというグループの系列店です。代官山のパティスリー・マディも同じグループ。しかしながら、別に代官山のマディでも同じものが買えるわけではないそうです。ということは、代官山のシェフが作っているということでもないわけですよね。ま、いいんですけどね。みつまJAPANか(古っ)。

というわけで、以下コメントです。ちょっとヨロシク。

rollmadu_mangoo_tropical.jpg

○マンゴー - mangoo -(¥420)

やはり夏のメニューということで、新作とくればマンゴーでしょうね。しかし、いちいちマンゴーに反応する自分って一体…。

それはともかく。

ゼリーの下にマンゴーの果肉。果肉が適度な間隔で挟まれたマンゴー風味のクリームです。正直、ロールケーキのホールを食べるのは飽きるし、ロール自体あまり好きなケーキではないんですが、そろそろロールケーキシリーズを始めておくのも悪くないと思っての購入でした。もちろん、今回買ったのはホールではなく1カットです。

さっぱりしててよかったです。

○トロピカル - tropical -(¥399)

ブラッドオレンジのジュレでナパージュされたすぐ下にシャンティーが薄く塗られています。クリームはパッションフルーツ風味。やはり印象はブラッドオレンジの酸味ですね。結構好きですよ、この果実は。色も強くパキっとした鮮やかな赤に近いオレンジ。パントン・オーバーレイのようなパキっとした色はすごく好き。

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Roll MADU(ロール・マディ)

場所:東京都東京都新宿区西新宿1-1-5 ルミネ1 B2F
最寄駅:「新宿」駅南口
営業時間:10:00-22:00
定休日:ルミネによる
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posted by 照乃芯 at 21:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | パティスリー(未分類) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

代官山/IL PLEUT SUR LA SEINE(4):オレンジのショートケーキ

6/4の日曜日に訪問したイル・プルー・シュル・ラ・セーヌのケーキですが、ま、本当に4つもオーダーして、ダラダラと初イートインを満喫してしまったわけですが(笑)、店内には弓田シェフの書籍が閲覧用として読める棚があるので、余計ダラダラしちゃいますね。

とりあえず今回のラスト、オレンジのショートケーキです。

ilpleut_orange_shortcake.jpg


○オレンジのショートケーキ - Orange Short Cake -(¥682)

2枚のスポンジはたっぷりとオレンジのシロップが打ってあって、これはヒタヒタというよりもビショビショかな、と思ったんですが、味は別に悪くないんですよね。作りもザックリ感があって、割と好きです。

スポンジの間にサンドされているシャンティーにもオレンジの果肉がありますが、これだけ沢山のオレンジ果肉があると、仮にテイクアウトした時に帰宅後スポンジがジットリと濡れているというのは容易に想像できます。上面のオレンジの下にシャンティーを塗って壁を作ってはいますが、できればイートインで食べてしまいたいケーキじゃないでしょうか。

1カットならいいとは思いますが、これをホールでいただいたらキツイかな(笑)

どうせ果汁でスポンジがシットリするのなら、いっそ…という意味であるならばむしろ潔いとすら思います。オレンジを使っているから、そこらへんは事前に仕上がりが予測可能ですし、そうなるのなら中途半端な事をせずに、表現する時はややオーバーにするくらいで丁度いい、という考え方なのかも。全体的にそういう傾向はありますよね、イル・プルーって。ま、これも個性でしょう。

とはいえ、これもちょっと値が張りますよねえ…。最初だからいいけど、この値段でこのケーキを二度も三度も…とはいきづらいです(>_<)

他にイチゴ以外のショートケーキをやってるお店って多くはないですからねえ。食べたくなったらまた行くでしょうね(笑)

というわけで、ミルフイユ、エクレール・キャラメル、シブーストゥ・ポワール、オレンジのショートケーキ、計4つ。いずれもクラシックなものを選んで食べてみました。

まだまだアップできてないネタが沢山あって、およそ2週間ほどの遅れをとっているので、取り急ぎアップした次第です。失礼しました。


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Patisserie IL PLEUT SUR LA SEINE(パティスリー・イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ)

場所:東京都東京都渋谷区猿楽町17−16  代官山フォーラム2F
最寄駅:東横線「代官山」駅より徒歩6分くらい 旧山手通り沿い都立第一商業高校横
営業時間:11:30-19:30
定休日:火曜日

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