一度訪れようと思っていたお店ですが割と先延ばしになっていたところ、新宿伊勢丹のマ・パティスリーに今日3日から登場という事で、これはチャンスと思い、品川で所用を済ませた後に行ってきました。
南池袋のアトリエ・ドゥ・テテの姉妹店という事ですが、本店であるそちらは「焼き菓子」、姉妹店であるこちらパティスリー・マリアージュの方は「生菓子」を中心にしたお店だそうです。
買ってから新宿御苑に移動して写真を撮ったのですが、新宿門から入園したのがすでに16時、今日は16時30分に閉園だというので、思いっきり急いで奥の日本庭園まで歩いて、片づけが始まってもう誰もいない休憩所のような所の窓際のテーブルで追い立てられるようにして写真を撮って、すぐに撤収(笑)
200円払って、滞在時間、正味20分でした。。。
というわけで、GW集中アップその2は…パティスリー・マリアージュ。

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では、以下コメントです。ちょっとヨロシク。
○ショートケーキ - Short Cake -(¥420)やや小振りの、2層になっているシャンティーの間にスライスされたイチゴ。上の段と下の段とでは、イチゴのスライスの厚さが違うように見えます。上の方が厚めになっています。……というのは、単に自分が持ち運びの際に揺らしたせいで少し下段が潰れてしまっただけの事だったようです。
上面には一粒のイチゴとシャンティー。とてもシンプルです。シャンティーの上には銀色の玉がいくつか散りばめられています。これ、名前知らないんですけどアラザンと呼ばれているものでしょうか。BB弾みたいなアレの事です(笑)
さきほども書いた通り、味は極シンプルです。シャンティーは多めな方だと思います。北海道産の生クリームを使っているという事で、これは美味しかったです。近場で物産展が開かれるとほぼ確実に足を運ぶくらい北海道には弱いので(笑)
ショートケーキに使うフルーツは、その都度季節のものを使うらしいので、今はイチゴですが、夏はどうなるのでしょうか。
まだまだしばらくはショートケーキの食べ比べを続けたいと思ってます。
○ダックワーズ・テ・ヴェール - Dacquoise The Vert -(¥420)分厚い土台は抹茶味のダックワーズ生地。「テ・ヴェール」とありますが、抹茶のクリームがダックワーズの上に練られ、その上にオレンジのコンフィ、洋酒に漬け込んだチェリー。単に漬け込んだというだけではなく、やや干したような見た目は梅肉をイメージしているのだと思います。
抹茶クリームの色はとても濃いものですが、味は割と控え目になっているように思います。抹茶を素材として使うシェフは他にも沢山いると思いますが、メインとなる部分にどのように抹茶を使うかで、「抹茶を使ったケーキ」の成功の分かれ目が見えてくるような気がします。以前にもタダシ・ヤナギのケーキで書いた事がありますが、僕は、それにもう一つ加えて「風流」があるかないか、というのも大事なポイントに挙げたいと思います。
その上に敷かれているのはホワイトチョコレート。上面には斜めに2本、先ほどの抹茶クリームよりも色が淡くなったもの、その上に干したような洋酒漬けのチェリーになっていますが、おそらく梅肉をイメージしているのだろうと思います。そしてオレンジピールのコンフィは差し詰めニンジンだとか、柚子といった風でしょうか。
…ここまできて、もうお気づきかも知れませんが、非常に和風です。見た目も、懐石料理のような面持ちを携えています。特に上面のアレンジなどは、懐石料理などから直接ヒントを得たのではないかと思わせます。ホワイトチョコレートのプレートも、まるで湯葉やライスペーパーを彷佛とさせますよね。まさに「お菓子で作った懐石料理」、といった印象で、高崎シェフの遊び心を感じます。
更に、多少の我田引水的論理を用いるのなら、(日本人=和=土着)+(フランス菓子=洗練)=作品という事になるかと思います。ただ、フランスにも土着はあるはずなので、日本人が日本人として和素材を使う時はそこに「風流」がなければいけないと僕は思っています。「風流」を認める事ができるケーキを作れるシェフというのは、相当すごいと思います。今のところ、そんな風なケーキを作れてしまうのは柳正司シェフくらいじゃないでしょうか。…まだあまり多くのシェフを知らないうちに言うのもアレですが(^^;)
惜しい点は、おそらく梅肉をイメージしたであろう洋酒漬けのチェリーに、思ったほどのパンチがなかった事。もっと存在感のある酸味が加わっていれば、非常に引き締まった印象になったと思います。
…いや、むしろ本当に梅肉を使っていたら…なんて思いますね。桜と一緒に塩漬けした梅肉を使っていたら、洋菓子に新風を巻き起こしたかも知れないですよ。もちろん、和菓子の世界では珍しくないし、キムラヤのあんぱんなんてもうとっくの昔に使ってますからね。
でも、洋菓子で使ってほしいですよ。米粉とか抹茶とかは、ちょっと今のところ面白く使えそうな人がいないので、梅肉を使う人が出てきてもいいんじゃないでしょうか。チェリーに洋酒を漬け込むくらいなら、梅肉いってほしいですね。チョコに胡椒使う人だっているんだから、梅肉なんか十分アリではないかと思うんですが。
ですので、「風流」にはあと一歩、という気がしました。
○マカロン・ルージュ - Macaron Rouge -(¥420)非常に変わったドーナツ状の苺マカロンで蓋をされたケーキの中身は小粒な6個の苺の中心にカスタード、土台の生地はパートシュクレかと思いきや、中がほんのりと淡い色のビスキュイですかね? ドーナツ状のマカロンの穴を塞いでいるのは半分にカットされた苺が2片、ブルーベリーが一粒です。マカロンの上にはフランボワーズの粉でしょうか。
ドーナツ状のマカロンは初めて見ました。カスタードはミルク分の多めなもの。正直言えば、自分の好みのカスタードではありませんが、カスタードがメインのケーキではないので、そこは不問。ただ、このカスタードを添えるのなら、思いきってフランボワーズのジャムをドカンといってくれたら面白いケーキになったかな、なんて。多分、対象とする顧客の間口を大きくとってあるのでしょうね。
○ジャンジュジャ - Gianduja -(¥420)土台のダックワーズ生地の中に割と粒の大きめなヘーゼルナッツが練りこまれていて、上にショコラムース、中央にチョコクリーム。上にもヘーゼルナッツがまるごと一粒、チョコレートの細工が一つ。こちらは、至って普通な感じのチョコケーキです。チョコクリームがちと微妙な印象。あまりに普通過ぎて、ちょっと印象に残らなかったのが残念でした。
同じチョコ系を選択するなら、アガリグアの方を選んでおいた方がいいかも知れません。アガリグアも売ってたんですけど、割と代表的なメニューを次回の愉しみとして初回だけは購入から外すという癖があるので、まあ、そっちは茗荷谷のお店に行った時に買おうと思います。
○マカロン・フランボワーズ - Macaron Framboise -(¥262)フランボワーズのガナッシュにフランボワーズのジャムを挟んだフランボワーズ尽くしのマカロン。何より、形がハートになっています!可愛い!
直径約6cm。厚さ2.3cmといったところ。マカロン生地自体がそれほどキツイ甘さではなく、食べ易いです。クリーム(ガナッシュ、ジャム)はそれほど多くありません。普段、さほどマカロンを食べるわけではないので、あまり比較も出来ないんですが、大きさの割にはお手軽の値段なのかな、という気がしました。
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Patisserie MARIAGE(パティスリー・マリアージュ)
住所:東京都文京区小石川4-16-7-1F(播磨坂沿い)
最寄駅:東京メトロ丸の内線「茗荷谷」駅下車、春日通りを右へ歩いて播磨坂を下る。徒歩5分ほど(多分)
営業時間:9:00-19:30
定休日:木曜日
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