晴れてるのか曇っているのかよく判らない天気。バスで渋谷まで出た後、東横線急行で自由が丘、その後に東急大井町線へ乗り替えて尾山台まで行って来ました。
駅を挟んで南北に伸びる長い商店街は「尾山台ハッピーロード」と呼ぶそうだけど、かつて何度か訪れた九品仏や等々力など、大井町線駅前の街造りはとてもよく似た雰囲気がある(どこの沿線でもそうなんだけど)。

改札を出て右がすぐ踏切。今日は尾山台ハッピーロードを左へ行って、オーボンヴュータンのケーキを買いにやってきました。通りの雰囲気が結構視界が開けた印象なのは、左右どちらも建物の背が高くない事や、道幅にゆとりがある事かな。土曜日だったおかげで日中は歩行者天国だったという部分もあるかも。
野菜などの物価は、今冬の寒波という問題を差し引いても、自分の住む幡ヶ谷などと比べるとやっぱりちょっと高い。キャベツ、じゃなくて他の野菜がそう感じた。ということは、全般的に高いという事。雰囲気はものすごく庶民的なんだけど、物価はさすがに違うなという感じ。もし自分が尾山台に住むなら、もう少し安い店を探して足を伸ばして他の街を開拓しに出かけますね。
商店街の中ほどまで行くと立派な図書館(?)が。その周辺には弁当屋、「食いしん坊万才!」(阿佐ヶ谷と中野にもある総菜屋チェーン。でもかなり割高…)やパン屋の「リトルマーメイド」もありますね。見た事のあるお店を見つけると、少し親近感が湧いてきます。
「尾山台ドットコム」という地域情報を発信したサイトがあるのは、幡ヶ谷・笹塚エリアの
「ささはたドットコム」に似ていて、これも親近感が湧いてきます。商店街で使えるポイントカードもいいですよね。新高円寺や千歳烏山の商店街スタンプカードとかを思い出します。幡ヶ谷にもチップがあるんですけどね。使える加盟店が少ないんですよねえ。駅前の銀行に預けてしまえば現金化できる利点もあるんですが。
この長い商店街も中腹を過ぎると、若干勾配がついて、とはいってもほぼ平たんに近いのですが、緩やかに上っていきます。そしてハッピーロードも終わろうかという辺りまで歩くと、オーボンヴュータンが見えてきました。いやー、着いたよぉ。
早速中へ入ってみました。店内はシックな色使いで落ち着いた感じ。外に向いたウィンドウ沿いに長いテーブルがあり、そこでイートインできます。座席数はそれほど多くはない感じです。河田勝彦氏の元で修業して旅立っていった若いパティシエも多いこの店のショーケースの向う側は、やはり若い男性スタッフで混み合っていました。出かける前に何を買うか、幾つか候補を決めておいたのですが、さすがにショーケースを前にすると目移りしてしまいます。
意を決して、予定していたケーキを2つ、ショーケースで見て決めたケーキを1つ。合計3つ買って帰りました。包んでもらってる間に、背後に陳列されたショコラや焼き菓子が気になって仕方なかったですが、ケーキを受け取るや、尾山台駅へ戻りました。たまには外で食べようかと思っていたのですが、少し雨が降りかけていたので、渋谷へ戻ってからもすぐにバスに乗って帰りました。

では買って帰ったケーキについて。
○ポロネーズ - Polonése - (¥320)ポロネーズはオーボンヴュータンを代表する生菓子の一つ。ポロネーズっていうと、バッハのポロネーズがとても好きで思い出しますね。小学校の頃って、給食の後に教室の掃除をするじゃないですか。その時の校内放送でかかるBGMがポロネーズでした。お昼休みの教室→ポロネーズ→オーボンヴュータンという見事な連想が完成しました。
ポロネーズはメレンゲの表面に少し焼き目の入ったナッツのスライスが放射線状に刺さっています。手元にある昭文社『たべみに/東京スイーツ』は2005年1月第2版1刷のものなので、ここに掲載されているオーボンヴュータンのポロネーズとは若干異なるデザイン。
…このナッツをメレンゲから指で引き抜いた時やフォークを入れた時の、メレンゲの「ップ、シュッ、サクサクッ…」という音を録音してアップしたかったくらいです。こ…この音はイイ!
降りたての夜中の新雪の上を足で踏みしめたような淡い音の感触。「あっ」と思いましたよ。ポロネーズを食べる時には耳を澄まして欲しいですね。楽しくなります。まるで樽の周りのナイフを抜いてゆくヒゲ船長のゲームみたいに、すべてのナッツを引き抜くまでその音を楽しんでしまいました。真ん中から下あたりの大振りなナッツが一番イイ音がします。是非お試しを(笑)
さて、妙な趣味を楽しんだ後は、このポロネーズを形作る魅惑のメレンゲにデザインのメスが入れられてゆきます(笑)
とかいいつつ、専門的な言葉が判らないので詳しくは書けないですが、表面がサクサクで中はとてもフワっとしたメレンゲの間を掻き分けてゆくと、そこには中にはカスタードや、なんだろうな、このお酒のような、酔いそうな強い味は。すごく美味しい。お酒が弱い人は絶対やめた方がよさそうな感じですね。それから干しぶどうなどのフルーツも入ってます。
○ミルフィーユ・オー・フレーズ - Mille Feuille au Fraise - (¥340)苺のミルフィーユ。やっぱりミルフィーユがあると買ってしまいますね。先週行ったエーグルドゥースのミルフィーユと比べるとやや小さめ。カスタードはとてもシンプルで、バニラビーンズは入ってないみたいです。一番上の、イチゴソースでコーティングしてある生地は結構硬めで、ゆっくりとフォークを入れると、脇からカスタードがニュウっと出てきてしまうので注意したいです。やっぱりシンプルなミルフィーユはすごく好きだなと確認できた気がします。オーボンヴュータンのミルフィーユも美味しかったです。もう「フレーズ」って聞いても「え? 何の曲のフレーズ?」みたいな勘違いはしなくなりました!(><)
○バルケット・オー・セゾン - Barquette aux Saison - (¥430)これはショーケースで見て惹かれた一つ。タルトの舟に乗ったフルーツといった感じで、これを眺めているだけで一冊の絵本ができそうな気がしてきます。季節のフルーツが乗っているタルトですが、大体数えたところ8種類乗ってますね。ちょっとワクワクしてきます。生地はそれほど硬くなく、食べやすいです。この中にある黄色いやつは今まで食べた事がないフルーツ。なんでしょうねこれ。外皮を向いたほおずきみたい。
お店に行って感じた事ですが、生菓子のショーケースの反対側にあるショコラや焼き菓子が素敵ですね。今回は買えなかったけど、次に来た時は絶対買います! それに生菓子も高いものはほとんどなく、大体300〜400円代が多いです。ここは今年何度も通う事になりそうな気がします。