新作出ましたね。香港的甜品。つまり、香港のデザート、という事でしょうか。以前このブログで紹介したマンゴーフレーバーのチョコレートがありました。『ロッテ「クランキー・マンゴー」とは何ですか』で取り上げたクランキーですが、今回は小枝。小枝の新作を取り上げるのはNYブラウニーとか以来かな。

キットカットがル・パティシエ・タカギ/パッションフルーツを出した後にポルテがパッションフルーツを出し、そしてロッテがクランキー・マンゴーを出した後に小枝がマンゴーを出してきました。
クランキーも小枝もサクっとした食感に共通した部分があるように感じますが、ただ追随してるというような感じではなく、クランキー・マンゴーを食べた時のマンゴーの味は落ち着いた味でした。そのため、冷やすとマンゴーの味が消えてしまうようにも感じました。ですが、小枝マンゴーはマンゴーの王様と呼ばれているらしいアルフォンソマンゴーを使って、香港の代表的甜品(ティンバン)である「マンゴーデザート」を商品化したという事で、単に果実を素材にしただけはないようです。
確かに食べてみると、クランキー・マンゴーとは違って、マンゴーの味が高いですね。高いというのは、音楽でいうところの高音域、といった感じ。トレブリーな。冷やしてもハッキリとした味が浮かんでくるようにしてある。基本的にデザートは冷たいので、多分開発段階で、マンゴーをそのまま使うと味が寝てしまうというか低く抑えられてしまう事に気付いたんでしょう。知らないけど。マンゴーそのものを使うのではなくて、デザートとして口に運んだ時の、あるいは舌の上に乗せた時の味の完成度というものを意識してあるように思いました。意図がハッキリしていて、すごく好感を覚えますし、とても美味しいです。
小枝の公式サイトを見るとココナッツ、ヨーグルト、パッションフルーツが加わっているそうです。…ああ、どうりで。マンゴーの味をよりピーキーにさせているのはパッションフルーツのせいなのかもしれない。ただパッションフルーツだと味が立ち過ぎるんで、ココナッツを加えてまろ味を出してるのかな。ベースにココナッツ、ミドルにヨーグルトで味を重ねて…。でも、やっぱりパッションフルーツ使うんですね。流れですかねえ。まあ、一応合点がいきました。
ただ、もちろんクランキー・マンゴーの方も、素材そのもので勝負といった感があるだけに、マンゴーに代表される南国系な果実に見受けられる美味しい風味の中に混じった独特の臭みみたいなものも感じて、それはそれで本物っぽさを感じ取る事ができて良かったんじゃないかな、と思いました。冷やさないで食べるといかにもマンゴーらしく味わう事ができるし。
こうやって書いてみると、クランキーと小枝のアプローチの違いって面白いですね。冬に出た前作の期間限定物も、パリのフィヤンテーヌやNYのブラウニーなど、デザートを小枝に盛り込んでいますよね。その方が、一つの素材そのものを閉じ込めるよりもずっと完成度が高くなるのかもしれない。そもそもそういう方針でやってるのかもしれないんで、上に書いたほど試行錯誤があったのかどうかは判りません。いずれにしても、単なるお菓子で留まるのではなくスウィーツやデザートの領域へ挑戦しているなという印象があって、もっとこういったお菓子を知りたいというか、科学したいような、そんな気分です。
関連リンク
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森永/小枝